丹羽R-GROUP事務局統括に聞く

全国求人の展開で新人は今後も続くか?

具体的にはどのような増え方だったのですか?
丹羽:初期のころの話ですが、多いときには1日の応募数が30件とかあった日もあります。10年目を迎えた今でも1日1通~3通程度は毎日コンスタントに応募メールがありますから、1年間をトータルすると、おそらく800件から1000件くらいの応募や問い合わせが来ていると思います。
それまでの状況とは次元を異にする質的な変化が起こったといえると思います。
今、R-GROUPに限らず風俗の世界ではキャストさんの募集は「全国求人=出稼ぎ」が当たり前になっていますね。
「出稼ぎツアー」という名前をつけて募集しているお店もかなりあるようです。
丹羽:まったくその通りです。私達が「短期お稼ぎツアー」を始めたころには、こうした求人形態はありませんでした。ですから、短期出稼ぎ型のリクルート商品は最初は金津園R-GROUPだけだったと思います。
しかし、やはりこれは時代にマッチしていたのですね。あるいは働くキャストさんの労働ニーズに合致していたというべきか。だからこうした求人のあり方が一般化し、その後(ヘルスやデリヘルなどの)隣接した業界も含めて燎原の火のごとく広がっていったのは、まったく当然のことだと思っています。
「短期お稼ぎツアー」のお株が他店に奪われたようなかたちになっているのではないですか?
丹羽:いえいえ、そんなことはありませんし、そういう捉え方をしたこともありません。もともと基幹的な交通インフラの整備とともに労働人口が都市圏=地方圏を移動するのは全社会的に起こっていることですし、むしろその場合の恩恵は都市圏よりも地方圏にあるというのが現状です。
むしろ、時代的には風俗業だけがこうした人口移動から取り残されてきたともいえるのです。条件は成熟していたのに、きっかけがなかった。だからこそR-GROUPの「短期お稼ぎツアー」がきっかけになって「全国求人=出稼ぎ」が爆発的に増え、風俗業界全体に一般化していったともいえるのです。
全国の風俗店がここに注目し求人を展開していったことは、ある種当然のことで、これは「社会的に準備され成熟したものが自ら姿を表した」というべきものです。他店がR-GROUPのマネをしたとかというようなレベルの話ではないと思っていますし「お株を奪われた」とも思っていません(笑)。
これからも、もっとたくさん出てくると思います。
では「お稼ぎツアー」は減ったり被害を受けたりしていないのですね。
丹羽:まったくです。応募の数は減るどころか増えています。とくに最近は短期の応募よりも、どっしりと腰を据えて頑張りたいという応募が目立ってきています。
その割にはキャストさんはあまり増えていないのではないですか?
丹羽:はい。そこが高級ソープランドの難しいところでもあるのです。応募があったからといって全員採用するわけにもいきません。やはり厳選に厳選を重ねて採用を決定していますので、応募数の増加曲線と採用数の増加曲線は、必ずしも一致しないのです。
ですが、こうした厳しい採用基準の設定が今日のR-GROUPの質を作り上げてきたわけで、この点に関してはお客様から「間違いない」とご評価いただけるものと確信しています。