丹羽R-GROUP事務局統括に聞く

「頑張りたい気持ち」に訴える

あと、R-GROUPに特徴的な求人として「ホスト・スカウトとは付き合わない」というのがありますね。
丹羽:はい、いっさいお付き合いしません。
それはどうしてですか?
丹羽:別にいい悪いじゃないんです。否定するつもりもありません。ただ、どのような動機で働くかということについての、私達なりのこだわりがあるとご理解いただければと思っています。

最近増えてきたスカウト会社というのは、要するに街角スカウトなどを通じて「獲得した」キャスト予備軍を店に紹介=入店させ、紹介料をとるという商売ですね。紹介料にプラスしてキャストさんの手取りの何%かのバックマージンを長期的に支払うという例もあります。
R-GROUP事務局にも、ときどきスカウト会社から電話がかかってきます。

しかし、スカウト行為の実体というのは、私達のように店を構え顧客の信頼を得て長く商売しようとしている者にとって、必ずしも求めるような中身になっていないこともあるのです。

私の経験でいうと、こういうことがありました。
東京の出張面接の喫茶店で偶然、風俗関連と思われる面接(?)に隣り合わせたことがあるのです。聞こえてくるので、聞いてしまったのですが、どうもスカウトした女性の面接なんですね。

自分が採用してもらいたいと思って応募した面接ではなく、街でナンパよろしくスカウトされて「働いてくれないか」とお願いされている面接・・というか勧誘ですので、女性のほうが態度が横柄で、逆に面接している男性のほうが媚を売っているような印象でした。

そこで男性のほうはなんとか話をまとめようとして「給料がいい」とか「仕事は楽だ」とか、「とりあえずやってみて嫌ならすぐ辞めてもいい」とか、条件のいいことをいろいろ言うわけです。
そこで私がいちばん印象に残ったのは、こういう話です。
「お店も新人をどんどん入れていきたいので、基本的に女の子にお客様のリターンを取ることを期待していないんですよ。」
つまりリターンを取る必要がないからサービスを頑張る必要もないと言っているのですね。うまいこと言うなぁ・・・と思いましたね。
ちょっとびっくりですね。
丹羽:私達の感覚だと「サービス頑張ってリターンを取ることが大切」といいますね、普通は。その論理で頑張れない人は、まず採用されないでしょう。どこのお店さんでもそうではないでしょうか。

でも、スカウト会社にとっては、意識はともかくキャストを店に紹介して初めて利益が出るわけですから、採用に足る人材かどうかということよりも、とりあえず話がまとまることが最優先課題になるわけです。これはビジネスモデルからして、仕方のないことですね。
でも、やっぱりそこには私たちが求める人材はいないと思わざるを得ません。自分から働きたいと思って勇気を出して応募してくる、そういう人材でやっていきたいですね。
ホスト業界に関連した応募や紹介についてはいかがですか。
丹羽:それを主たる入店経路と考えているお店さんも多いと思います。また、風俗の世界では伝統的に(?)ホスト絡みの求人や応募が多かったことも事実です。ソープランド店の経営者がホスト店に「女の子を紹介しろ」と”営業”に回ることもあるそうです。
ただ、それもこれも、ソープ店が自力でキャストさんを集めることができれば済む話ですね。
そうですね。