ここ数年で風俗店のキャスト写真は非常にキレイになった。カメラ機材や加工ソフトの進化によってであろうが、すばらしく「芸術的な出来栄え」になってきている。しかし、利用者の側はそんな「不自然にキレイで」「生身の人間とは似て非なる」写真を望んでいるのだろうか。度の過ぎた加工修正は、かえって顧客のニーズから遠ざかるものではないだろうか。
風俗店のキャスト写真はどのようなものであるべきか。丹羽統括に聞いた。
(聞き手:事務局)

今日は写真の話を伺いたいと思います。いきなりですが、パネマジという言葉をご存知ですか?
丹羽:ええ、「パネルマジック」の略ですね。「パネル」というのはもともとはヘルス店の用語だと思います。来店してからキャストさんを選ぶのに見る写真のことですね。
ソープランドでは一般にパネルという言葉は使いません。アルバムとかアルバム写真とか、そういう言い方をすると思います。
この「パネマジ」という言葉に象徴されるのですが、WEBサイトにせよ店の写真にせよ、本人とは似て非なる「修正写真」が多く使われているという現実があるように思います。
丹羽:お客様に選んでいただくために、少しでも綺麗に見せたい、可愛く見せたいという気持ちから、修正を加えるわけですね。その気持ちそのものは、営業主体としてわかります。
また、最近ではカメラ機材の進化によって、素人でも相当キレイな写真が撮れるようになってきています。また、修正のための加工ソフトも進化しています。
しかし、その修正度合いがひどすぎると「本人とは似て非なる」ものになってしまって、キャスト選びの基準になりません。文字通りのパネルマジックになってしまいます。
丹羽:そのとおりですね。
Photoshopというソフトがあって、色調を変えたり、ウエストを細くしたり、目やバストを大きくしたり、驚くほどいろんなことができます。多くの風俗店でキャスト写真を加工するのに使っていると思いますが、あまりやり過ぎると不自然な写真になってしまいます。
実際やりすぎて、まるで人形さんのお顔のような写真も、結構見かけますね。
R-GROUPではその「Photoshop」を使っているのですか?
丹羽:使います。ただ、R-GROUPの場合にはほとんどのキャストさんがお顔出しをしていませんので、お顔にボカシを入れたり、色調・明度を変えたりなど、ホームページ写真として完成させるのに必要最低限の使用のしかたですね。
あとは、ホームページに適した軽いサイズにするためにFireworksというソフトも使います。
写真を修正する行為を、どのように考えていますか?
丹羽:さきほどもいいましたが、写真を加工したり修正したりする行為は、生身のキャストさんの姿かたちを少しでもよく見せてネット指名を獲得したいというのが、まず根底的な動機になっているわけですね。

その気持ちはわかるのですが、修正度合いがどの程度かというのがまず問題です。別人と言われるほどに修正をかけると、これは「詐欺」に近いものになります。

極端な例では、顔出し不可のキャストをPhotoshopで別人に仕上げて顔出ししてホームページに載せる、そういうお店もあるようです。恐ろしいことです。

しかし店側は、店の都合だけではなく、顧客側のニーズが本来どこにあるのかを真剣に考えなくてはなりません。客商売においては、真のニーズに向き合うことがなによりも大切だからです。

何よりもまずお客様は本当に、修正された、本人とは別人の、キレイで完璧な、・・・そういう写真がほしいと考えているのかということですね。われわれは、そうであるとは考えていません。

実際、写メ日記などでキャストさんがアップしている自然なスナップ写真などがとくに注視されていることを考えてもわかるとおり、真のニーズはまず「より本人に近い」「より本人の特徴を反映した」文字通り真実の姿に近い写真にこそあり、そういう写真をお客様は求めている、とわれわれは考えています。

実際、そうでなければキャスト選びの基準になりませんから。
修正がひどい写真は、素人目で見ていてもなんとなくわかります。
丹羽:その通りです。一見して非常に不自然な感じを受けます。
実際に会ってみたら写真と違っていたということも、よくある話ですね。
丹羽:そうです。ホームページの写真やアルバム写真で絶世の美女と思っても、実際に会ってみたら普通の子だった・・という経験は誰もがあることです。

これは、生身の女の子がよくない・・と言いたいのではないですよ。働いているキャストさんたちは、良くも悪くも普通のスタイルの、普通にかわいい、本当に普通の女の子がほとんどです。また、それが当たり前なのです。

さらに言えば、ちょっとポッチャリだったり、ちょっと胸が小さめだったり、あるいはお顔立ちも平凡だったり、・・・それが当たり前だし、普通のことなんですね。
それを修正して「モデル級」にして売り出すことに無理があるのです。
なるほど、可愛らしさの価値をどこにおくかということでもあるのですね。
丹羽:そのとおりです。スタイルはモデル級、顔はアイドル級、胸が大きくて細身で、若くて・・・そういうところに価値を見出す女性観が、無理な修正をさせているとも言えます。

しかし、本来ソープランドにおける女性の魅力とは、そういうものとは違います。いい意味でいうのですが、往々にしてお店の№1というのは30代で、ルックスも普通のキャストであることが多い。それは皆さんよくご存知のとおりです。

つまりソープランドでお客様が求めているのは、年齢やスタイルに関係なく献身的で性格のいい、親しみやすいキャストなのです。けっして、店側が得手勝手に作り上げた「修正された美女」を求めているのではないということですね。

私達R-GROUPは、ソープランドサービスにおいて最も大切なものとして、それを「愛情・献身・エロス」と定式化しています。