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姫予約がなぜいけないか?

(1)

姫予約とは、顧客がフロントを通さずに直接キャストに予約を告げ、姫が代行してそれを店に伝えることによって成り立つ予約のことである。つまり、予約受付をキャスト自身が行うやり方である(キャストによる予約代行)。

姫予約の問題点の第一は、キャストが予約代行を行うためには顧客と電話番号・Eメールアドレスなどの交換を行いホットラインを確立しなければならないという点である。キャストが店を通さない客とのホットラインをつくることは、相互の関係のなかに客とキャストという関係以上のものを持ち込むことになる。また、言うまでもなく顧客とキャストのトラブルの原因にもなる。

姫予約の問題点の第二は、店が顧客を囲い込むのではなく、キャストが店の顧客を個人的に囲い込むという点にある。しかし、あくまでもキャストは店に雇われた存在であり、店が集めた顧客をキャストが接客するという点にこそ、雇用関係の根本がある
姫予約を認めることによって、この関係が逆転する。店がキャストに客をつけるのではなく、キャストが店に客をつけるというあり方になる。

それが常態化すると、どういうことになるか。総じて、店によるキャスト管理が著しく後退する。
店が顧客の予約をとってくれることをキャストが「ありがたい」と思うのではなく、キャストが顧客の予約をとることを、店が「ありがたい」と思う関係になる
要するに、店がキャストを使うのではなく、キャストに店が使われる関係になる。キャストと店の力関係が逆転する。

そこから、さまざまなトラブル、キャストの「物言い」が始まる。キャストは「店に稼がせてもらっている」と考えない。「私が店を稼がせてやっている」くらいに思うようになる。だから、今回のように「私の客を他の女につけるな」というような話になる。決まりごとを通じたキャスト管理の崩壊である。

(2)

繰り返すが、雇用関係の根本は「店が顧客を集めキャストに接客させる」という点にある。だからこそ、店は経費をかけて顧客を集め、会員制を敷き、男子が接客して囲い込み、再来店を促すという取り組みを必死でやってきたのではないのか?顧客の管理・囲い込みという男子の仕事の決定的な課題をキャストに渡してしまったとすれば、そこで働いているわれわれ男子の役割・存在とはいったいなにか?ということになる。

姫予約の行き着く先は、男子の仕事の空疎化であり、キャスト管理の著しい後退である。当然「客を持っている」キャストが相対的に力を持つようになる。そのキャストに対し店は強く指導できなくなる。客を持っているキャストが辞めれば顧客が減ると思えば、何も言えなくなる。キャストに問題があったとしても客を持っているがゆえに辞めさせたくても辞めさせられないという事態を生起させることになる。
あるいは「辞められたら困る」という発想になる。
そこから、店のキャストに対する際限のない屈服と譲歩が始まる。

しかし、ここが肝心な点であるが、そもそもソープランドにおいてキャストが客を持つのではない。店が客を集め、店が客を持ち、店が客を囲い込み、維持していくのである。「キャストに辞められたら困る」と発想するのではなく、男子による客の囲い込みによって、たとえキャストが辞めたとしても自分自身の力で顧客をしっかりと維持していくのだと発想することが大切である。

 

雇用関係の根本が「店が顧客を集めキャストに接客させる」という点にあるとするのであれば、姫予約を認めることがその雇用関係を強化することにつながるか、それとも薄めることにつながるのかを、一度じっくりと考えてほしい。誰が考えても、それは管理と雇用関係の希薄化をしか結果しないのではないだろうか。

 

ソープランドビジネスの根本、雇用と管理という観点から、今一度再考願いたい。




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