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【居酒屋・「京まち」】

深田
2007.1

金津でいえば、味み亭が吉原の町のなかにあるという感じの店である。
姿麗人のホステス・藤野さんに、この街中にどこかいい居酒屋さんはないかと聞いて教えてもらった。釜飯がウリの、内装もキレイな、まじめな居酒屋である。同じ居酒屋・双六のはす向かいにある。

11時ごろという時間のせいか、客はカウンターに一組だけであった。吉原で働く人間を相手にしているためこの時間はまだ暇な様子である。4時までやっているとのことである。

女将に聞く。最近吉原はどうなの・・・?

ひまやねぇ・・・。ぜんぜんだめやねぇ・・・。
うちなんか吉原の女の子でもってるようなものだから、だめだねぇ・・。
昔はねぇ、世話役みたいなお姐さんがいてね、女の子を引き連れてね、きてくれたけどね・・。いろいろね、礼儀作法とかね、教えてたね。最近はみんなバラバラだねぇ・・。
・・・・・女将は、吉原の古き良き時代を、果てしなく懐かしんでいた。

ソープ街の住人をその顧客対象とする飲食店の場合、その街の興隆と運命をともにするというのは、どの地域にあっても同じように思う。こうした「京待ち」のような居酒屋の雰囲気からも、吉原のある種の衰退を感じ取ることができる。

吉原の衰退には、
@デリヘルなどの他風俗の台頭による客数減退。
A石原都政による箱ヘルつぶしの結果、ヘルスの女子が吉原に大量流入し、需給のバランスが崩れた。
Bいまだに、振り替え店が多い。5、6万の店でも平気で振り替えをやっている店がある。つまり、顧客の囲い込みに、街全体として失敗している。

・・・などの原因が考えられるが、根本的には、ソープランドというサービス業の根本的な需要に質的変化が劇的に起こっていることを捕らえきれていない結果ではないかと、感じられる。これは直接的にもわれわれに関わってくる問題であり、深め突き詰めていかなければならない問題であると改めて感じた。

つまり、デリヘルではなく、なぜソープランドなのかということである。
ソープランドでしか、得られないものとは何なのかということである。
内装の美しさやコスメの充実では、ラブホテルを舞台とするデリに勝つのは難しい。彼らは経費をかけずにこれらの課題を他力本願で手に入れている。

では、ソープランドにあってデリにないものとは何か。
それは、やはり男子の接客というものではないか。男子の接客は、これまでホステスさんの補助的なものと位置づけられてきたが、これは根本的に変えて行かなければならないのではないか。
もっと男子を主役にした、男子の接客をメインにすえたやり方を考えていく必要があるように思われる。

・ホテルの予約
・送迎
・お茶だし
・上がり接客
・ホテルに学ぶさまざまなサービス
クリーニング
マッサージ
街中案内
お食事
などなど

これらは、今後も検討していかなければならない。



【DATA】
季節料理・京まち
東京都台東区千束3-28-14
03-3876-0672
※41年の主人の目利きや板前のこだわり、旬の素材が織りなす日本料理
(asku.comレストランガイド)
http://www.asku.com/RV/010R/?_item_id=320025573&area_id=13

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