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【吉原・ピカソ】


ピカソには、送迎がなかった。
上野にいる旨伝えると

「初回に限り、交通費は負担させていただきます」

という。

「まず、運転手さんに吉原の花園通りがわかるかどうか、聞いてください。・・・」

タクシーに乗ってからの道案内は、正確で丁寧、マニュアル化された感じであった。
店前につけたが、前に立っているスタッフは、このタクシーの客が自分のところの客なのかどうなのか、判断がつきかねている様子で、突っ立っている。ドアが開き、目があってはじめて近寄ってきた。通常、自分の店の前にタクシーが止まったのであるから、客に違いないのだが、このおっとりとした対応は、呼び込み禁止条例のせいか?

タクシー代は負担するといったにもかかわらず、客が自分で支払っている姿を見過ごすのはいかがなものか。
そのままにするのかと思ったら、待合室に通したあと、「些少(さしょう)ではございますが、こちら交通費でございます・・」といって茶封筒をもってきた。中身2000円。
この「些少ではございますが・・」というボキャブラリーはぜひ覚えておきたいと思ったものである。
受付応対は、少し白髪のまじった50がらみの男性。品がよい。感謝・礼節・献身といった接客の精神が、その物腰にきちんと身についた、ちゃんとした接客人という印象である。あとで聞けば社長とのことであった。おそらくは店長=社長だと思われる。こういう紳士に直接接客を受けるというのは、大変気分がよいものである。これだけで、「ああ、いい店だな」という気持ちになる。

顔見せがなく、入会の手続きはタイプあわせのような項目も含め、いろいろ書き込み欄があった。店の主義主張というか、ポリシーのようなものが、感じられる。個室にもそういう張り紙があった。
会員カードとともに渡された紙にも次のような記述がある。

当店は会員登録制、完全予約のシステムをお取りしております関係上、あまりにも低俗で癖の悪すぎるお客様は、お断り申し上げております。そのような方々と区別させていただくためにもご予約、お問い合わせの際には、ご面倒でも必ず先にお名前と会員ナンバーをセットでお教え下さいます様、お願い申し上げます。

「あまりにも低俗・・・」とは、あまりにも激しい書き方という感じはする。「当店のポリシーに合わないお客様・・」くらいでよいのではないかと思われる。

さて、ホステスはよく教育されていた。つねにくっつくとか、献身的に尽くすという高級店にとって命綱的な接客はよくできていたと思う。お客をほめるのもわすれない。女性としてのインパクトには欠けるが、サービス人としてはよかったと思う。

ホステスに今日の宿が決まっていない旨を伝えると、お店の人に探してもらいましょうとコールしていた。
上がると予約したホテルの名前と電話番号などを書いた紙片を渡された。こういうサービスはきちんとしていた。居酒屋の紹介も頼んだが、このあたりの居酒屋は大体12時くらいで閉めてしまうということで、あとはホテルで聞いてくれとのことであった。これは残念だった。

帰りはタクシーでホテルまで帰ったが、タクシーの運転手さんに行き先を伝える気配りも完璧だった。
内装・男子サービス・女子サービス、総じて、値段なりの店ではあったと思う。

【DETA】
ピカソ
110分80,000円
http://picasso-club.com