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【高級店建設からの逃避--ピカソ再考】2006.10.25
・・・ クレーム処理と高級店サービスの考え方について




吉原屈指の高級店といわれるピカソだが、今回わかったのは、以下の2点であった。

@即尺はホステスに強制していない。しない子はしない。それでいいとしている。
Aマットの講習は一切しておらず、マットができる子はわずか2人のみである。

実は、今回「きっちり仕事のできる女の子をつけてくれ」とリクエストしていた。
ところが実際についたホステスは入店1ヶ月の美咲という女の子であった。
軽く流れを振り返ってみる。

@部屋に入ってのご挨拶なし。階段からの会話の続きのままであった。
A服は、ほぼ自分で脱いだ。
B即尺なし。女は下着姿になるとベッドにあがってきて、「なにして欲しい?」と聞いたのみであった。
Cベッド内容はまずまずであったが、途中「自分はフェラが得意だ」というので「やってくれ」というと、「あとで」といって無理やり休憩に入った。
D休憩中は、飲み物を飲みながらの話が20分以上続いた。風呂の湯をためる気配もない。煙草を勧めると「じゃ、吸っていいですか」と吸い始めた。
E風呂場へのエスコートは無かった。自分で入った。
F女も風呂桶の中に入ってきたが、ずっと喋っていて潜望鏡はしなかった。
G洗体は普通であった。(このとき女は「時間が微妙・・・」と言った)
H湯からあがったら、自分で体を拭いた。(女は「あ、ごめんね」と言った)
I湯上りの飲み物は出てこなかった。
J女は、終了の合図のように勝手に服を着始めた。そして私に服を渡した。自分で着た。

結論的に言うと、女はそこそこいい女であったが、サービスは大衆店以下の内容であった。

大枚をはたいた身としてはなんとも腹立たしい内容であるが、好みに当たり外れがあるように、こういうことは通例ありうる。

しかし、上がり部屋でクレームをつけた私に対し、店が見せた態度はあまりにも(反面教師という意味で)教訓的であった。

私は、一応こういう話をした。

「きっちり仕事のできる子をつけてくれと言ったのに、あの子はまったくできないばかりか、教育もされていないではないか」

実は、予約の電話の際にはフロントは

「そういう女の子ですと最速6時で案内できる」

「うちはタイプの女の子がいないときは、ご案内しておりません」

などと自信ありげに話していたのである(※)。

※ホームページにも以下の記述がある。
「お客様のご希望タイプにそった子をご紹介しておりますが、ご希望に沿えない場合はハッキリとお断りしております。」


怒りをあらわす私に、上がり接客に来た若いスタッフは「すみません」「申し訳ありません」と繰り返すばかりで、具体的な聞き込みはまったくしなかった。

あとから「伊藤」という中年のスタッフが来た。

一応、責任者ということらしいが、件のボーイ氏と同様「申し訳ありません」を繰り返すばかりで話を真剣に聞こうとしない。
むしろ、

「お客様の言われる”仕事ができる”というのはマットができるという意味だったのですか・・・うちはマットは重視していないんです。即尺も強制していないんです」

と、「仕事ができる」という意味の考え方の違いを強調して、「うちの考え方とお客さんの考え方とは違う」と言わんばかりの対応であった。

客の追及から逃れたいがために、客を悪者にしてしまうありがちな対応であり、最悪の対応である。
「こんなことは、おわびにもなりませんが・・・」 と差し出したのは、次回の特別割引券であった(1万円分)。

すでに通達「クレーム処理に関して」ではっきりさせたように、

「遊び代はそのとき限りの価値に対してどうなのか」

ということであって、次回割引券は意味がないものであり、ある意味傲慢な対応である。

「接客業=客商売である以上、良心的に営業することが命綱であり、そうした客商売に対する根本的な考え方を再確立する必要がある。 ここで、次回割引券というのは、場面によっては、あまり意味がないということをはっきりさせておきたい。遊び代はそのとき限りの価値に対してどうなのかということである。クレームをつけたお客様は、次回のことは考えていない。もう二度とくるもんかと思っている。そのお客様に対し、次回割引券を出すということは「もう一度来てくれ」ということになるが、もう一度来てくれというにしても、それは割引云々の話ではなく、信頼回復のために「私どもにもう一度チャンスをください!」という次元の話なのである。二度とくるものかと思っているお客様の側にすれば、次回割引券というのは、傲慢な態度と取られかねない。
次回割引券という考え方は基本的に捨てる。クレームが出たときは、その内容に応じて全額もしくは一部返金する。」(2006.7.30)

われわれにおいては、こういう対応を心がけていきたいものである。

さて、このときの私の気分としては、もっと話を聞いてもらいたいということであった。
遊びに関して、ある程度の理解があると自覚している者として、自分の理を聞いてもらいたいと感じたのである。

クレーム処理の過程とは、詳しくは通達を読んで欲しいが、結局「自分の怒りを分かってくれ」ということであり、本質的には「怒っている自分の言い分が正しいことを分かってくれ」ということなのである。

従っておそらく、この場合の正しい解決は、以下のようになると思う。

@とにかく相手の言い分をいったんすべて聞く。
A相手のニーズに応え切れなかった自分たちの非を認める。
B率直に詫びる。
Cできるならば誠意の具体的形としていくらを返金する。
D責任者が名刺を出す。
E次回また来てもらうために、ニーズに合うホステスを紹介する。

以上をやりきって、最後は笑顔で帰っていただく、ということであろう。


しかし、それにしても吉原の高級店の質の低下は目を覆うばかりである。

即尺もやらず、マット講習もやらず、献身的な基本動作(服を脱がせる・膝上で靴下をはかせる・手をとってエスコートする・煙草に火をつける・・・)もしない、潜望鏡もしない、サービスはベッドでゴム付の一回戦のみというのでは、大衆店以下というほかない。

前のレポートで「良心的高級店」と書いたことを撤回したい気持ちである。
百歩譲って良心的にやろうとはしているにしても、高級店のサービスのあり方に関して考え方の路線が根本的に間違っているのである。

マットを希望するお客様が少ないからといって、マットの技術は身につけなくていいということにはならない。容姿重視だからといって基本動作ができなくていいということにはならないのである。

サービスに関して妥協と後退を続けるならば、行き着く先は「タマのよさ」だけを追求した「ソープのデリヘル化」ということにはならないか。

じっさい、ピカソはそういう道(高級店建設からの逃避)をたどっているかのようである。

われわれは、ある程度ブルーシャトーを意識した「愛情」「献身」「礼節」「エロス」を重視したサービス内容づくりを推し進めていくのでなければならない。

知らず知らずのうちに、ホステスのサービス内容が低下しているのではないかということに常に目を光らせ、アンケートと聞き込みを重視し、時には店長自ら聞き込みに入り、店のサービスレベルの維持・向上を日々の運営の中で作り出していくことを、ぜひとも重視したい。

スローガン化するならば、それは「高級ソープランドの再興」ということである。






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