【求人に関する基本的な考え方】2006.7.27
R-GROUPのソープランド運営を路線的に考えるというあり方は、2005年から本格的に始まったわけであるが、路線的に考えるということの真の意味は、経験主義に陥ったり、場当たり的な発想によって無駄なジグザグを繰り返すのではなく、われわれのビジネスを取り巻くニーズを確実に読み取り、そのニーズに応えるシーズを用意することによって、確かなビジネスを確実に積み重ねていこうとする努力をしていこうということである。
同じことは、女子求人に関しても言える。経験主義的で場当たり的な、あるいは無方針な求人であってはならないということである。
つまり、
@どのような方針で、
Aどのような女の子を
Bどのように集め、
Cそれをどのように育て、
Dどのように売り出し、
E会社の利益につなげていくのか、
という明確な考え方が必要だということである。
また、それらは、すべて「どのような店をつくるのか」という根本的な方針によって導き出される考え方だということになる。
■入店の基準・・・どのような女の子を集めるか
さて、その立場にたって考えたとき、求人の、とくに入店の基準(どのような女の子を集めるか)に関しては、次のような考え方がなりたつ。
1.顧客のニーズに合致したホステスのみを入店させる。
2.顧客のニーズに特に合致してはいないが、売り上げをつくるという至上命題のために必要な人員補充を行う。
3.R-GROUPの組織建設上の要請に合致したホステスのみを入店させる。
「顧客のニーズに合致したホステスのみを入店させる」というのは、「厳選されたシーズ」を用意するというビジネスの基本である。ニーズに合致しているからこそ、それは商品となり、商品価値を持つのであって、ニーズを無視した品揃えで顧客の心をつかむことなどできないというのは、まったくもって自明の問題である。「若くて可愛い子」「細くて胸の大きい子」「明るくて性格のよい子」がほしいとどの店舗も考えるのは、それが顧客側のニーズであることを潜在的に自覚しているからである。
しかし、それだけでは、実際にはビジネスをやっていくことはできない。ニーズに合致した完璧な女の子だけを集めることができたら、どんなにか楽であろう。しかし、実際にはそういう風にいかないというのが現実である。
そこで、「顧客のニーズに特に合致してはいないが、売り上げをつくるという至上命題のために必要な人員補充を行う」という方針が俎上にのぼる。実際、理想だけではビジネスを貫徹していけるものではない。月々の家賃・人件費・各種経費をまかなっていくためには、実際にも日々の売り上げがどうしても必要である。ところで、日々の売り上げは、出勤ホステス数×接客数である。したがって、出勤数を確保することは、日々の売り上げをつくるための至上命題だということになる。出勤数を確保するために、“入店基準のある程度の緩和”が必要となる。
ここまでは、どの店舗においても共通した考え方といえるが、われわれに独自なのは、「R-GROUPの組織建設上の要請に合致したホステスのみを入店させる」という考え方である。
R-GROUPは、組織の方針・路線・指導系列に対する忠誠と働く者の成功をもっとも大切な要件であると考える。したがって、男子・女子に関わらず反組織分子・不満分子、路線に応じることのできない者は解雇し、あるいはこれを採用しない。これらを採用しあるいは解雇しないことは、最終的には「獅子身中の虫」として組織の自壊につながる危険を内在させることになる。とくに、自らの意思とは無関係にホストその他によって働くことを強制されたり、店以外の権威を精神的支柱として働くことは、ひいては外部対抗勢力の介入を招く原因となる。この点から、われわれは、ホステスさんも含めた組織建設を堅実にやりぬいていくための方策として、路線に合致したホステスのみを入店させるという方針をとるのである。
ところで、ビジネス的な視点を重視するといっても、ニーズとシーズの関係は決して一方的で不変ではないことに注意を払う必要がある。ニーズは常に変化するし、またニーズを共有する顧客群も多種多様である。「若くて可愛い子」だけが顧客のニーズだという固定観念にとらわれていたのでは、新しいビジネスチャンスを逃すことにもなりかねない。たとえば従来、風俗界において商品価値が低かった中年女性を“人妻”というドメイン(識別子)を使うことで商品価値を高めた「人妻ヘルス」「人妻デリヘル」の台頭は、これまでの固定的で観念的なニーズ論では、予測することすらできなかったことである。
つまり、ニーズを読み取ってシーズを用意するということのなかには、新しいニーズを作り出すという契機も含まれる。作り出すというよりは、むしろ潜在的なニーズを見つけ出す・掘り起こすということである。正統派高級ソープを作るという路線も、時代の中で常に変化するニーズとの呼吸のなかで構成=再構成していく必要があり、それにともなって入店基準もまた変化しうるものであるということを忘れてはならない。
■入店の水路開拓・・・女の子をどのように集めるか
求人、とくに女の子の応募をいかにして増やしていくのかという課題は、求人の最も基礎的で第一義的な課題であるといえる。
これは、次の二つの視点から考えるべきである。
@応募の水路をいかにして太く大きく数多く作り出していくのか
AR-GROUPそのものの磁力=求心力をいかに強くしていくのか
(a)応募の水路
応募の水路は、われわれの場合、かつてはヘブンなどの風俗雑誌を見て応募してくる金津内移籍経験者やヘルス経験者に無自覚的に求めてきたものを、2004年秋から2005年初頭にかけて、はっきりと「募集対象を素人も含めた全国に広げると同時に、インターネットの全社会的広がりという情勢に鑑み、HPを通じた求人に力を入れる」という方針に転換した(註@)。
つまり、これまで雑誌などの固定的な媒体に頼って応募を待つという姿勢であったものから、インターネットを駆使して積極的にネットの海に打って出るという姿勢に転換したということである。漁にたとえていうならば、これまでは定置網にかかる魚をじっと待っていたあり方を変え、はえ縄漁のようにネットの海を動き回り、あるいはより広大な対象海域に投網をなげて魚を一挙に捕獲するというやり方にしたということである。
これが、2004年秋から2005年初頭にかけて開始した沖縄・九州・関西・東京・北海道などへの求人誌への掲載と独自の携帯版求人HPの制作、定期的な全国出張面接ということであった。
各地方版の携帯求人HPの制作には、その地方の現状に即した求人内容にするという点も、端緒的ではあれ開始し、たとえば吉原や福原の客数減退や、地方の手取り額の少なさなどを具体的に分析し、金津園の高級ソープに出稼ぎに来ることのメリット・根拠を重視した求人戦略をとったことも有効であったと考える。
こうした取り組みを、今後は、戦略的レベルにおいて整理し、位置づけ組みなおしていかなければならない。
対象となる女の子が存在する領域を「海」とたとえるならば、定置網からはえ縄漁への転換が、「陸(おか)」とたとえるならば、R-GROUPへ至る川の流れ=水路を、全国津々浦々に灌漑工事のようにつくりあげ、はりめぐらせるという発想の転換が必要なのである。
この「はえ縄漁」もしくは「水路建設」は、雑誌・WEBなどのメディアを利用するという位相と、地域別という位相、対象とする女の子の職種別という3つの位相において分析され用意されなければならない。地域別あるいはメディアを利用した水路建設に関しては、かなりの程度、自覚的に開始されているが、対象の職業別求人に関しては、未だまったく手がつけられていない状態であり、「どんな仕事をしているかに関わらず風俗で働きたい女の子」というぼんやりとした領域を対象としているにすぎない。しかし、たとえば学生・看護師・ウェイトレス・フリーター・バスガイド・・など、職業別に「ソープで働く論理」を練り上げていくことは可能であり、絶対的にやりぬいていかなければならない求人領域である。
また、出張面接の発展したあり方として、また地域に即した水路建設の一環として定期的な説明会の開催、駐在員の派遣は、今後試験的にもせよ、開始していかなければならない。
(b)R-GROUPの磁力強化
さらに、もうひとつの課題として、R-GROUP自体の磁力を強くしていくことである。誰もがそこに引きつけられる磁場をR-GROUPのなかに作り出していかなければならない。それは、ひとことで言うならR-GROUPのソープランド業界における権威を確立するということである。
かつて「揺るがない東海地区最高峰という称号」というコピーを使っていた時期があるが、R-GROUPの新人入店率と在籍ホステスのレベルの高さがもたらすR-GROUPの「男の遊び場」としての権威は、対象顧客に対しては、相当程度浸透してきたと考える。
一方、求人対象の女の子に対しても、この集客力の実現によって、ある程度まで「忙しい店」「稼げる店」という印象づけに成功してきたといえる。このある程度働き始めた磁力をさらに確実なもの・不動なものとして強力につくりあげていくことが、現在、求められているのである。つまり、ソープランドではたらくならR-GROUPで働くのが一番だという認識・常識を人為的にもせよ、作り出していくことである。
「ソープランドではたらくならR-GROUPで働くのが一番だという認識・常識」とは、ひとことでいえば、それは「R-GROUPの一員であることが女性にとってのひとつのステイタスになる」ということである。あるいは、そういうイメージ作りである。
一般に、人を集めるために必要な要件として
・利害の一致
・ステイタス
・労働強度と収入のバランス
などがあるが、とくにステイタスの創出を大切に考えるということである。ステイタスは、もちろん一朝一夕に作り出せるものではないにせよ、美しくハイセンスなデザインの広告やHP、サクセスストーリーの宣伝などにより「女性の憧れ」を作り出すことはできる。求人活動を、その論理とデザインにおいてつくりだすことが急務である。
その際、これまでの経験からいえる大切なことは、
@女性に対する労働商品(註A)を提出すること(購買意欲が刺激される)
A甘いことばかり言わないこと(指導性がある)
B嘘だと思うようなでたらめや好条件ばかりならべないこと(信頼性がある)
である。
そのかわりに、
C稼げる根拠と指針を指し示すこと
D風俗業界の低迷の根拠を指し示すこと
Eそれにたいする突破口を指し示すこと
Fその具体的適用としての労働商品を提出すること
である。
労働商品という言い方をしたが、女性を「R-GROUP入店」という労働商品を買ってくれる顧客と考えるならば、その求人内容は女性側のニーズに確実に答えるものでなければならない。ところで、女性側のニーズとは、
働きやすいこと
お客様の数が多く、稼げること
寮が完備していること
男子がさわやかでしっかりしていること
=セクハラ的要素がないこと
多少の融通がきくこと
力強く指導してくれる体制があること
未来を指し示す哲学があること
である。
われわれの求人内容=求人の論理は、この女性側のニーズに徹底して応えるというところを出発点とし、社会情勢に鑑み、創意工夫をもって全社一丸となってつくりあげていくことが求められているのである。
【現在、緊急に求められる具体的課題】
@新路線に基づいたPC版求人ホームページの作成
AR-GROUP説明会の具体的準備(場所・日時・プレゼン内容の確定とパンフづくり)
B駐在員派遣に向けたターゲットの選定と求人戦略確定のためのマーケティング
C地域版ホームページ作成のための、ターゲット地の選定と求人戦略確定のためのマーケティング
※註@「求人に関する路線転換」・・・(「2005 年下半期の R-GROUP 組織方針」より)
まず 商品の仕入れ であるが、当然のことながら、固定した仕入先があるわけではない。また、仕入れたいと思ったときにすぐに仕入れが可能なわけでもない。現在のところ、ほとんどすべての店舗が不確定要素の大きい、はっきりいえば「いつあるかわからない」面接に頼っているというのが現状である。
これでは不安極まりないといわなければならない。
したがって、まずもって安定した商品供給のルートを作り上げることが、商品不足に陥らない必勝の課題となる。われわれの場合、このルートを地方求人誌とリクルート HP に求めたわけである。
求人誌による地方求人は、もともと金津の移籍組に期待できないところから、広く全国に人材を募りたいという希望からはじめたことであったが、まったくの風俗素人を多数獲得できたことは、望外の成果であった。風俗経験のない応募者は、ある意味 R-Group の路線と考え方において基礎から教育することが可能であり、店のカラーを作り上げていくうえで、必要にして不可欠な素材である。また、他店舗との条件比較を常に考える人材とは違い、入店から卒業まで、一貫してわれわれと共に行動する人材は、文字通りわれわれの仲間であり、ある意味「同志」である。こうした素材をどれだけ持てるかが、店の実力そのものといってもよいのである。この点、地方から R-Group だけを頼って来る素材の獲得を目指したことは、単に獲得数だけでは計れない組織としての強みを、われわれにもたらしたといえる。
リクルート HP に関しても同様で、東海圏のみならず全国からの応募を考えたとき、絶対になくてはならないものである。また、その HP のボリュームが、そのままその会社=グループの大きさ=信頼度を測る指標となるのであって、ようするに同じリクルート HP でも「ショボい」ものでは逆効果となることもあるのだということは、よくよく自覚しておかなければならない。これは、求人誌に関しても同様である。デザインはそのまま体(たい)を表すのである。・・・
※註A「労働商品という考え方について」
「うちの店で働きませんか? いいお店ですよ、稼げますよ」は、単なる求人の呼びかけであり、巷に氾濫する誰も信じない甘言である。一方、「1日10万、10日で100万! 風俗短期お稼ぎツアー」は、具体的に稼げる根拠と指針を指し示す「労働商品」である。風俗で働くことを望んでいる女性を、ひとつの顧客と考え、購買意欲を刺激し、買ってもらえる「労働商品」を提出することが、具体的に求人=雇用を成立させていくためのポイントであり、他社との差別化であると考える。「短期お稼ぎツアー」のような労働商品は、今後も考案されていかなければならない。
|