2005年下半期のR-GROUP組織方針 一人ひとりが接客人=組織人として成長し、 R-GROUP の事業主体としての基礎を打ち固めよ 2005.8. ■ビジネスとしての風俗営業論をマスターし、 サービスの本質に迫る仕事内容を作り上げていこう ■指導系列を正しく理解し、一切の仕事を組織的に考え行動せよ はじめに われわれが R-GROUP としてスタートを切ってから4年が過ぎた。そして本年初頭の新体制(深田=奈良谷体制)発足から半年が経過した。このかん、試行錯誤しながらも、現場の男子スタッフを先頭に金津園におけるソープランド3店舗の展開を、文字通り汗みどろとなって全力で作り上げてきた。この半年あまりの現場的=組織的な取り組みのすべてはわれわれにとって、またソープランド業界全体にとっても決して軽いものではなかったと考える。 われわれは、つとに、ソープランドの営業を「昔ながらのやり方」ではなく、ひとつのビジネスとして考え、それを実践しようとしてきた。われわれが進むべき道=路線を定め、その路線の実現のための戦略をたて、そこから日々の営業、戦術問題その他を考えるというやり方を取ってきた。現場において必ずしも実感されない場面のひとつひとつも、じつはその内実においては、つねに路線=戦略=戦術という一貫性をもって貫徹されてきたのである。このことは、繰り返し正しく確認されなければならない。 もし仮に、日々の営業が路線=戦略=戦術という観点のないまま行なわれるとするなら、それは、きわめて場当たり的で無方針な、したがってまた経験に頼ったやり方にならざるを得ない。そのようなやり方では、何を目標とし、またどこに到達地平を定めればよいかもはっきりせず、何に向かって努力しているのかさえ現場的には明らかとならず、目標を見失ってしまうことになりかねない。 しかし、われわれには、目標があり、夢がある。スタート地点はソープランドのボーイであったとしても、そのソープランドの事業展開を基礎としつつ、可能な限りのビジネス展開を展望していきたいと考えている。そのためには、 R-GROUP の構成員一人ひとりがビジネスを理解し、事業を担いぬく一個のビジネスマンとして自らを成長させなければならない。このかんの、セミナーも含めたさまざまな取り組みの一切は、そのためのものであるといえる。 さて、そのような問題意識から考えたとき、当面するわれわれの目標は次の 3 点に集約される。 1.接客人としての自分を磨くこと 2.組織人としての自分を磨くこと 3.事業人としての自分を磨くこと まずは、接客を生業(なりわい)とするものとして、自らの接客人としての能力を極限的に引き上げていかなければならない。接客に関しては、それ自体たとえば「営業」「運転」その他技術的な仕事と同様に独自の領域が存在するのであって、特にこのかんの「リッツ本」の学習などをつうじてその基礎を感覚的にせよ、まず自分自身のものにしていくことである。日々の仕事=接客を「パーソナルサービス」として実現することをつねに意識しながら、一歩一歩、自分の接客内容を磨いていこう。そうした一人ひとりの努力が、われわれの接客の質を高めていくのであり、ひいては R-GROUP の接客の質として昇華されていくのである。 また、そうした接客・営業方針の実践は、個人的な努力を基礎としながらも、チームワークとしてしか成り立たないものであることを是非とも理解するべきである。チームワークは、とくに横のつながりと縦の系列において、つまり組織的なものとして理解されなければならない。組織的な自分の位置づけをはっきり理解し、組織の指導系列に従うことを通して、われわれの課題である接客のあり方を実現していくことである。個別的な能力が指導系列をつくるのではなく、指導系列が個別的なものを組織的に表現するのである。決してその逆ではない。 今ひとつは、 R-GROUP の発展を展望し、事業を展開する主体としての力量をつけていくことである。われわれの夢は、われわれ自身が事業主体となることであり、日々の努力のすべてはそのためにこそあるのだといえる。肉体的=精神的に重い仕事内容も、われわれ自身がすり減るためにあるのではなく、極めて近い将来のわれわれの飛躍・成長のために課せられた試練に他ならない。 こうした課題を常に念頭に置きながら、 2005 年下半期を闘っていきたいと考える。 2005 年前半の総括=「 R-GROUP の現段階」以降の取り組み まずは、「 R-GROUP の現段階」で示した方針が、この上半期どのように貫徹されたのかを中心に、簡単に総括しておきたい。 「現段階」で打ち出した課題と方針は次のとおりである。 営業戦略に関して ■宣伝戦略を飛躍的に強化し、ネット戦略をさらに推し進めていく ■雑誌を通じた効果的な宣伝を練り上げていく ■地方求人をさらに展開し、素人の獲得に全力をあげる ■男子スタッフは一人ひとりが接客のプロとして自分自身の「接客術」を練り上げていく ホステスの指導に関して ■ホステスの成長を心から願い、厳しくも暖かい指導を強めていく ■サービス内容の充実と講習のレベルアップを実現する 組織建設に関して ■フロント担当者は実質的な店舗責任者としての自覚をもち、考え行動する ■幹部は指導部としての自覚をもち、自分自身の指導能力の向上のため不断に努力する ■社会人としての基盤整備をしっかり固め、地に足のついた生活律をつくる 「現段階」を通じて打ち出したこれらの方針は、総じて自分自身を社会人=ビジネス人として打ち鍛えると同時に、日々の仕事をビジネス的に展開することを真正面から提起したものであったといえる。宣伝戦を勝ち抜いて求人と営業に勝利すること、高級店にふさわしいスタッフとしての接客技術を磨くこと、日々のビジネス戦に勝ち抜く強力な組織を建設すること。われわれとしてはこの半年間、不十分ながらもこれらの課題に立ち向かい、わずかではあるが、確実にその階梯を上り始めたと総括できると思う。また、何に向かって努力すればよいのか、その課題についても、組織的=個別的に、徐々に明確になりつつある。今後も、断固としてこの道を進み、われわれ自身のさらなる飛躍をわれとわが手でもぎりとっていくのでなければならない。 以下、主要な総括点を挙げ、同時に引き続きの方針としたい。 ネット戦略=携帯版最新情報の導入 今年前半の総括の基軸は、なんと言っても各店舗に導入された「携帯版最新情報」のもたらした効果である。当初、われわれの中にも、リアルタイムで空き情報を流すということに対して躊躇があったことは事実である。他のライバル店に対して、実際どの程度の回転率で動いているのかが、手に取るようにわかってしまうこのやり方については、実際われわれも躊躇したし、いったん立ち止まって考えなければならない問題が含まれていることも事実である。しかし、この空き情報の正確な提供という課題は、振り返るならば掲示板に出勤情報を開示したときからの当然の流れであり、社会全体の流れ=ニーズにきわめてマッチしたやり方なのである。実際にも顧客側からするならば、どのホステスが出勤しているかの次には、どのホステスが空いているかがニーズとなるのであり、「ニーズに応える」というビジネスの本質からするならば、最新情報の提供は当然の帰結といえる。 一方、人気がある子と人気のない子がそれぞれ誰の目にも明らかになってしまうとか、出勤人数が少ないことが明らかとなって、それが来店数に直接にも響いてしまうなどの問題もたしかにあった。すなわち、人数が少ないとあらかじめわかってしまうと、「選べない」という印象を与えてしまうことになり、取れたはずのフリーも取れなくなってしまう可能性がでてくるということである。しかし、それを心配しつつも結果的に近場のフリーや、直前の指名予約が圧倒的に増加したことも事実なのである。今後、この「最新情報の提供」というサービスは、金津園内において当たり前のサービスになっていくものと思う。われわれは、その試みを最初にやり始めたものとして、提供する情報内容のさらなる豊富化に努めていくのでなければならない。 なお、この「最新情報の提供」というサービスのいちばん大切なことは、文字通り最新情報が常に流れているという点にある。 いつアクセスしても、そこに表示されている情報がまさに最新であり、ホットであるということが生命線なのである 。したがって、状況が変わったらすぐさま更新を加えるというあり方を、今後もフロントサイドの任務として徹底させていかなければならない。更新が遅れ、流れている情報と電話して初めてわかる情報とが違うという話になってしまうと、「最新情報」そのものに対する信頼が失われ、結果としてアクセス数が減り、この「最新情報 HP 」を作っている意味そのものがなくなってしまうのである。この点、フロント担当者はよくよく自覚しておく必要がある。 割引の中止 ロイヤルにおける割引の中止は、高級店建設の当然の帰結であり、また「立ち上げ」が終了したことの証(あかし)である。残る2店舗についても、時期を見て割引の中止=正当な価格運営に踏み切らなければならない。 全国的には、吉原にせよ、雄琴にせよ、福原にせよ、「高級店」と名のつく店で一万円の割引券をつけて経営している店は(経営不振店をのぞいて原則的に)ないのであって、この割引券の存在そのものが、「割安感」を演出するための方策であったとはいえ、「立ち上げ」未完了を示す、いわば成長途上にあるわれわれの蒙古斑のようなものだと思ってよい。これがひとつ取れたことは、われわれの成長を如実に示すものとして、喜びたいと思う。 売り上げとの関係でいうならば、割引の中止は当然にもダイレクトに売り上げアップにつながるものである。そもそも、われわれはまずもって利益を上げるために日々「商売」をしているのであって、あらゆる手段を講じて売り上げアップのために努力する必要があるが、割引の中止はその一環であり、手取りやシステムの見直しも含めて、一円でも多く売り上げを作ることがわれわれの根本的な任務であることを、この際はっきりと自覚しておきたいと思う。 イベントの中止 割引の中止とともに、イベントの中止もまた「立ち上げ」終了を示すメルクマールである。もともと割り引きイベントは、立ち上げのための一方策として始めたものであり、その立ち上げの期間、よくその効果を発揮したと思う。このイベントを夏に向かう過程でいったん終了にしたことの判断は正しかった。今後、いったん中止したものを安易に復活することはできないが、売り上げの推移を注視しつつ、柔軟な判断をしていかなければならない。 講習内容の豊富化 講習に関しては、指導部内において独自の努力を積み重ねてきたものの、いまだに不十分といわなければならない。これは、性的なものを異性が教えるということの根本的な矛盾といってもよいものである。 この点、今回女性の講習員=トレーナーを得たことは、幸いであった。とくに経験も長く、年齢的にも母親的な立場の今回のトレーナーの獲得は、女子スタッフを育てるうえで画期的な力をもたらすものとなった。「性的なものを同性が教えることの矛盾・・」という言い方もあるとは思うが、現在全国的には「講習は女性トレーナーがやる」という流れになってきており、また実際それがホステスにある種の「安心感」を与えているのも事実である。講習料を身銭を切って払い、時間をかけて教えてもらうというあり方も、自分自身のサービスが有料であることの自覚に役立っていると考える。講習にカネを払うというあり方は、講習された技術・作法・魂のすべてが富を生むこと、つまりビジネスが価値を媒介とするものだということを理解させるのに格好であって、今後もこのあり方は継続されなければならない。逆にいうと、カネをとれない講習は、ビジネス本来の意味において「価値あるもの」とはいえないのである。一定の時点において、講習料の値上げも検討していく必要がある(現在の講習料はその価値の大きさからいって不当に安価である)。 講習内容は、現在のところ、ソープランドの古典的な仕事が中心的な指導課題である。トレーナーのキャラクターに規定されてそうなっているわけであるが、これはこれで、一切の仕事の基礎として大変有意義なものである。しかし、今後ソープランドに求める需要の質の変化にともない、講習内容もまた変わっていかなければならないということはいうまでもない。特に「現段階」でも明らかにしたとおり、サービスの根底にはお客様に対する根源的な愛情が座るべきであり、エロス的な愛の根本、性の本質を追究することは、ソープランドのサービス向上を考えるものとして当然の義務である。 組織建設上の問題 「現段階」ですでに述べたとおり、幹部の働きこそ会社全体の消長を占うものであり、各級幹部は引き続き全人格を投入する決意をもって日々の仕事に当たるのでなければならない。さらに幹部にあっては、現場の指導のみならず、 R-GROUP 全体を今後どのように運営し成長させていくかに関するビジョンの建設が急務である。日々移り変わるソープランド運営をめぐる情勢に対応し、また他風俗との競合に勝ち抜いていくための独自の戦略を練り上げていくのでなければならない。 さて、われわれの組織系列は明確な指導=被指導の関係として成り立っている。指導関係とは、指導部から見るならば、責任を取りきる決意の体系そのものだといってよいものである。つまり、下部の仕事上に生起する一切の諸問題について、自らが責任を取りきって指導しぬく決意がなければそもそも成立しない関係なのであって、「立場的に上にある」事をもって絶対服従を強制するような前近代的で奴隷的な関係ではありえないということである。一方、下部の側からするならば、下される方針を主体的=積極的に担いぬくことを通して、現場の成果を組織=指導の正しさとして組織全体に還元することを考えていくべきだということである。また、上司=部下関係は、正しい意味での敬意の体系としてつくられていくべきであり、そこにいささかの個人的な反発や不満があってはならない。もともと不満や反発というものは、組織的人格=組織的思考とはまったく無縁のきわめて不健康で非生産的な感情であるといってよい。組織上のあるいは方針上の問題が生じたときには、指導系列が正しく機能していないことをあらわしているわけであって、この解決のためには、指導系列を正しくリセットさせることで解決するべきだという理解の仕方をしなければならないということである。 「現段階」で総括された退店従業員の残した「待機主義と個人主義」という課題は、今日的にもつねに組織内に発生する可能性のある歪みであって、とくに個人主義的な歪みから行われる撹乱=突き上げは、それがどのような大義名分を伴おうとも、指導系列を破壊する反組織的行為であって、断じて許されないものである。 外部対抗勢力との戦い われわれの組織を取り巻く「外部対抗勢力」とでもいうべき輩による組織破壊を絶対に許してはならない。こうした勢力に対して、幹部は先頭に立って闘うべきである。根本的にいうならば、組織は構成従業員の生命であって、幹部はこの組織を生命にかけても守り抜かねばならないのである。 退店従業員の扱いについて われわれは、退店従業員の扱いについて、それが男子であれ女子であれ、組織上の利害からそのすべてを決裁するという考え方に立つ。したがってわれわれは、家族問題・健康問題その他で心ならずも退店しなければならなかった者と、不健康な感情から不満を抱き敵対心をもってやめていった者とを峻厳に区別する。われわれは、単純な能力主義にたつものでもないし、能力を理由に差別するという考えは、もとより持ち合わせていない。したがって、男子にせよ女子にせよ、 R-GROUP において過去、「能力」を理由に解雇された人間はひとりもいない。組織を去ったものは、継続困難な個人的理由か、不満と敵対心から背を向けたか(あるいは組織的な規律を犯したか)のいずれかである。継続困難で心ならずも退店するものは暖かく送り出し、 R-GROUP に背を向けたものに対しては、断固たる立場で臨んできた。これまでわれわれの元を去った人間は、決して少なくない。また時に、他店舗の従業員が長く続いていて、われわれの組織で人が長続きしないように見える瞬間があるかも知れない。しかし、あえて本質的にいうならば、 R-GROUP という組織が仕事に対して本気であるが故に、 仕事に対して曖昧で中途半端な考えをもつ人間は、その激しい仕事の過程で否応なくその本質が炙(あぶ)り出されてしまう ということなのである。逆に、長期にわたり R-GROUP で貢献してきた人間は、それだけで仕事に対して本物であるということができる。これは決してうぬぼれではない。たとえて言うならそれは、王朝的な絶対的権威がもろくも崩れ去る激動の過程を生き抜いてきたものの、いつわりのない実感とでもいうべきものである。 |