路線的な取り組みの概況とわれわれの決意

路線的な取り組みの概況とわれわれの決意

2008.4

■はじめに

われわれが岐阜金津園においてソープランドの仕事をしていくのに、ある一定の問題意識と方向性をもって取り組みを始めてから、すでに数年が経過した。われわれは、この問題意識と方向性を「路線」と呼び、この路線に基づいて組織を運営し、また日々の店舗運営を考えるようにしてきた。サービスの内容にしても、男子の接客内容にしても、また雑誌やインターネットを通じた宣伝のあり方にしてもそうである。また、会社を作っていくうえで組織のあり方や指導系列のあり方にも注意を払ってきた。つまり、会社=組織をどう作り、その組織的実践をいかに行い、その実践を通じてどのような成果を作り出していこうとするのかというものの見方・考え方を、いっさいの基礎にあるものとして、とくに重視してきたのである。
考えてみれば、しかしそれはきわめて当然のことであったともいえる。実際、日々の営業にせよ、もし仮に「路線=戦略=戦術という観点のないまま行なわれるとするなら、それは、きわめて場当たり的で無方針な、したがってまた経験に頼ったやり方にならざるを得ない。そのようなやり方では、何を目標とし、またどこに到達地平を定めればよいかもはっきりせず、何に向かって努力しているのかさえ現場的には明らかとならず、目標を見失ってしまうことになりかねない」(「2005年下半期のR-GROUP組織方針」)からである。
われわれは、R-GROUP=われわれの会社での仕事を人生最後の仕事と本気で考え、全力でこの事業を確実なものにしていきたいと考えている。また、ここ(ソープランド)をスタートとするしかないわれわれが、この仕事で成功し飛躍していくためには、どうしてもその勝利を保証する哲学が必要である。それこそがわれわれがつかみ取った総路線なのであり、従ってまたスタッフ全員がこのR-GROUPの路線を学び尽くし、路線的な考え方・組織的な考え方を身につけていくことこそが、われわれの勝利を保証する絶対的な条件だといえるのである。そしてその路線に基づいた会社運営・店舗運営は、路線が目指す主要な柱である「大きな木」を作り出していく基礎となるものである。

さて、これまでに提起されている路線について振り返ってみたい。われわれの路線については、かならずしも方針や通達として文書で示されたものばかりではなく、日々の営業のなかで個別に指し示されることも多いが、とくに文書で提出されているものについて列挙してみよう。

■総括的な路線提起
「R-GROUPの現段階」(2004.12)
目指すべき姿と今の現状との間にあるものを探り、われわれがどこまで到達したのかをはっきりさせ、高級ソープランドとしての完成度(東海地区における覇権)を見極めるための総括と展望
「2005年下半期のR-GROUP組織方針」(2005.8)
■一人ひとりが接客人=組織人として成長し、R-GROUPの事業主体としての基礎を打ち固めよ
■ビジネスとしての風俗営業論をマスターし、サービスの本質に迫る仕事内容を作り上げていこう
■指導系列を正しく理解し、一切の仕事を組織的に考え行動せよ
■女子指導に関する文書
R-GROUP勤務の約束事2004.10
講習について2004.10
マットの手順2004.10
■適宜指示される通達
Rグループ通達001号2004.10
「接客中の喫煙に関しては、全面的に禁止です。接客中は、タバコを一切吸わないことを徹底させること。」
Rグループ通達002号(フロント用)2004.12
「【R-GROUP 勤務の約束事】をホステス全員に配布し、「決まりごと」を通じた雇用関係を意識化させること」
Rグループ通達003号(フロント用)
「携帯版全角132文字以内のメールを作ろう!」
Rグループ通達004号2005.2
「ホームページ、メルマガなど、徹底したWEB戦略を通じてP指名を大幅獲得せよ!」
Rグループ通達005号
新人入店ラッシュ ! わかりきっているが、注意すべき2つのこと
1、新人のデビュー戦をP指名の嵐で華々しく飾ろう!
2、R-GROUPの決まりごとをきちんと守らせる!
Rグループ通達006号2005.4.24
G.W.の10日間で、全部屋をフル稼働させよ!

「R-GROUPの現段階」(2004.12)は、われわれが路線的に組織運営を考え始めたもっとも初期の段階において提起されたものである。いま、R-GROUPの現状はどうなっているのか、どうすれば高級店として立ち上げることができるのか、あるいはそもそも高級店とはなにか・・・という問題意識について整理しながら考えた、いわば「高級ソープランド試論」である。2004年当時の組織的現状や誤謬についても思い切って把羅剔抉し、進むべき方向性を探っている。ただ、問題意識は2004年当時のものであり、現在の地平からすれば、とくにWEB戦略に関して初歩的な認識にとどまっている。
「現段階」から約半年後、ビジネスというファクターを通じてわれわれの仕事を見つめなおし、「ビジネスとしての風俗営業論」を考えようとしたのが「2005年下半期のR-GROUP組織方針」(2005.8)である。ここで特に力が入れられているのは、日々のわれわれの営業のあり方をビジネスティックに読み直す作業である。求人とはなにか、宣伝とはなにか、お客様に満足していただくとはどういうことか、・・・そういった基本的な毎日の仕事を、「ただなんとなく」ではなく、「ビジネス」としてやるとしたらどうすればいいだろうかということが述べられている。とくに男子の仕事を「セールス」と言い切り、自分の仕事をセールス論で考えようと提起している。

われわれの仕事を「ビジネス」というフィルターを通じて見ようとしたとき、大きくマーケティングとセールスに分けることが出来る。マーケティングは「商品を作り出すこと=需要を作り出すこと」であり、セールスは「商品を売ること=需要に応えること」である。
男子スタッフが抱える仕事は多岐にわたるが、このさい「男子スタッフの仕事はセールスである」と言い切ってしまおうと思う。あらゆる他の付随する仕事もセールスのために必要な諸作業と位置づけることが可能である。
(「2005 年後半の課題=ソープランドの営業をビジネスとして考える」)

こうした考え方は、昔ながらの金津園にはかつてなかったものである。そういう意味でわれわれは、金津園にビジネスを持ち込んだのだと言ってみたい衝動にかられるのだが、実はこうした考え方は、世の中どこにでも転がっている、きわめて一般的な常識でもある。経営の方法(論)そのものが一個の商品として高値で売買される今日のビジネスシーンを思い浮かべれば明らかなように、個人商店が企業化していく過程で、小企業が成長していく過程で、いずれの経営者もそうした「経営論」「ビジネス論」を必死で取り入れ、学びつくし、自らの仕事をビジネスとして純化させようとする。それはビジネスの成長の論理からいって当然のことなのである。また、対象となるフィールドがビジネスの論理にしたがって動いている以上、その「学び」がない企業は、競合する他社を相手にシェアを拡大していくことはできないだろう。
われわれが2005年当時において、ビジネスというフィルターを通じて自分の仕事を読み解いていくという作業を行なったことは、社会と隔離された金津園に生きるわれわれにとって路線的にして戦略的な営業を考えていくうえで、非常によいトレーニングになったというべきである。このビジネスティックにものごとを考えるという習慣は、われわれの仕事のあらゆる領域で今後も貫徹されていかなければならないと考える。(こうした問題意識の表現のひとつとして、遠藤店長のブログ「金津園ビジネス実践日記」がある。)

さて、その後は、まとまったかたちでの路線提起はしていない。「現段階」と「下半期の方針」の二つが現在のところ、総括的な路線=方針である。
今回の提起においては、この二つの路線内容をもう一度仔細に検討し、その実践を今日的に検証しながら、今後のわれわれの方向性を探っていきたいと考える。また、いくつかの新しい課題についても提起したい。


■二つの方針が提起したこと

まず、二つの方針が提起したことを振り返ってみたい。また、当時いいたかったことを今日的な地平から今一度読み解いてみたいと思う。

リアルタイム情報を柱とするWEB戦略を通じたこのかんの取り組みとその成果については、すでに多言を要しないであろう。この数年間は、思いあがっていうならば、われわれR-GROUPの金津園における怒涛の進撃そのものであり、われわれの創意工夫をこらした運営とそれが作り出す快進撃に、金津園全体が注視してきたし、また注視せざるを得ない状況をつくりだしてきた数年間であったといえる。それはある意味「路線の正しさ」ということだろうし、正鵠を得た営業論であったということだとは思うが、むしろそれは、客観的に求められる営業のあり方を真剣に実践したことの、つまりソープランドをビジネスとして対象化して取り組んだことの、当然の結果に他ならないのである。もしも、ビジネスに長けた商社商人が外部からこの業界に参入してきたとしたら、さらに綿密でビジネス論に裏打ちされた画期的な方法をもって、期待される成果を当然にも上げただろうと思われるし、それは、中小コンサルタント業の絶好の参入先となった昨今のデリヘル業界を見れば明らかであろう。逆にいうなら、金津園というある種閉鎖された、大手が参入しない業界=ステージであったからこそ、われわれの「路線」がとりあえず有効性をもったともいえるのである。
このことは、正しくも肝に銘じておく必要がある。

さて、金津園全体を眺めてみて、街総体として、ソープランドという仕事をビジネスとして対象化しきれていない面は、実際多分にある。WEB戦略しかり、接客論しかり、サービス論しかり・・・である。昔からある「伝統」や「しきたり」、あるいは必ずしも明文化されない「昔からのやり方」にしたがって運営され、景気のいい時代はそれでも十分に機能し、利益を生んできた。少なくとも、1998〜2000年くらいまでは、名古屋のヘルスという脅威があったにしても、集客において深刻な事態は生じてはいなかったと思われる。金津の街中をフリーの客が適当な店を探して其処ここで闊歩し、大衆店でも、朝の最初の案内から10部屋全部が埋まるとか、土日となればパーフェクト(つまり稼働率100パーセント)とか、大型店では1日100本の客入りを数えるような時代でもあった。しかし、それから4〜5年が経つと、フリーで駅から歩いてくる客がめっきりと減り、また、その頃ちょうど期を一にしてデリヘルが台頭し、ソープからの客離れが深刻になってくる。そうなってくると、もはや「昔ながらのやり方」は通用しない。景気のよさと競合のない、いわば東海地方の風俗独占状態にあぐらをかいたやり方はことごとく駄目になってくる。こと此処に至って、「女の子集め」や「宣伝」や「集客」といったソープ営業の基本テーマを、それとして真剣に考えなければならなくなってきたのである。同時に、インターネットがそうした「女の子集め」や「宣伝」や「集客」のあり方をも、根本的に変えてしまったという事情もある。
こうした事態にかんがみ、景気の低迷や台頭してくる他風俗に勝ち抜いて利益を確保していくために何が必要であるのかを、実際にも真剣に考え実践する必要に、業界全体が迫られたといえるのである。こうした認識が、われわれをして「路線」的な考え方へ向かわせた最大の事情であったといえる。

さて、「現段階」と「2005年下半期の方針」の2つにおいて提起した内容について振り返ってみよう。それぞれの方針の末尾に示された箇条書きを抜き出してみる。

【現段階】
営業戦略に関して
■宣伝戦略を飛躍的に強化し、ネット戦略をさらに推し進めていく
■雑誌を通じた効果的な宣伝を練り上げていく
■地方求人をさらに展開し、素人の獲得に全力をあげる
■男子スタッフは一人ひとりが接客のプロとして自分自身の「接客術」を練り上げていく
ホステスの指導に関して
■ホステスの成長を心から願い、厳しくも暖かい指導を強めていく
■サービス内容の充実と講習のレベルアップを実現する
組織建設に関して
■フロント担当者は実質的な店舗責任者としての自覚をもち、考え行動する
■幹部は指導部としての自覚をもち、自分自身の指導能力の向上のため不断に努力する
■社会人としての基盤整備をしっかり固め、地に足のついた生活律をつくる

【下半期の方針】
■男子スタッフは引き続き、一人ひとりが接客のプロとして自分自身の「接客術」を練り上げていく。とくに今後は「リッツカールトン式」のパーソナルサービスをR-GROUPの基本サービスとしていく。とくに、「リッツ」のクレド(credo)に代わるような、われわれ自身の接客哲学を作り上げる。
■フロント担当者は実質的な店舗責任者としての自覚をもち、考え行動する。とくに、商品の宣伝と販売に関しては、徹底してビジネスの視点からその戦術を立て、実践する。
■引き続き、ホステスの成長を心から願い、厳しくも暖かい指導を強めていく
■すべてのホステスに対し、再講習を強め、サービス内容の点検と向上をはかっていく。
■引き続き、宣伝戦略を飛躍的に強化し、ネット戦略をさらに推し進めていく。とくにWEB関連で出来ることは、すべてやり抜いていく。とくに、HPを通じた宣伝を、単なる「商品の宣伝」という段階から、たとえば「ライフスタイルの提案」のようなものにしていく。金津園と柳ヶ瀬をリンクするような「遊びの提案」をしていく。
■スタッフは、パソコンを使った自己表現を可能な限りやり抜いていく。
■雑誌を通じた効果的な宣伝に関し、さらに習熟していく。
■引き続き、幹部は指導部としての自覚をもち、自分自身の指導能力の向上のため不断に努力する
■沖縄・札幌をはじめ北陸・関西に地方求人をさらに展開し、素人の獲得に全力をあげる。
■WEB関連の新規事業を立ち上げる。

方針は多岐にわたるが、共通して訴えられているものなどを整理してみると、次にいくつかに集約される。

@ 女の子を集める。
A ホステスの教育をしっかりする。
B 宣伝を強くする。とくにネットと雑誌。
C 男子の接客をしっかりさせる。
D 幹部の指導能力を上げる。
E 社会人としてしっかりする。

二つの路線で提起されていることというのは、結局この6つのことなのである。D幹部の指導能力とE社会人・・・の問題は、上記@〜Cの根底にあるものであって、基本的な課題は@〜Cということになる。この@〜Cを、「ソープランドの営業において必要な4要素」として、今回あらためて整理し、書き出しておきたいと思う。


■ソープランドの営業において必要な4要素■

@女の子を集めること。
Aホステスの教育をしっかりすること。
B宣伝を強くすること。とくにネットと雑誌。
C男子の接客をしっかりさせること。

この4つの繰り返しの中に、「安定した店舗営業」は実現されるということである。あるいは、この4つをそれぞれ意識的かつビジネスティックに追求することが、日常的な営業課題であり、われわれの日常的な任務ということになる。
それぞれ具体的に検討してみよう。

@女の子を集めること
「女の子を集める」といったときの核心的な課題は、まずもって女子スタッフの入店ルートを確立するということと、そのルートから意識的に間断なく新人を入店させるということである。女の子がいなければ商売ができない。したがって、女の子集めに勝利することが、まずもってソープランド営業必勝の前提となる。またそれを単発で考えるのではなく、間断なく続くシステムとして考えるということである。
かつては、「いつあるかわからない面接を待つ」という姿勢に終始していたか、あるいは「そのうちあるだろう」というような極めて消極的=受動的な態度で考えられていたといってよい。主としたターゲットは、漫遊記やヘブンを見て応募してくる(他風俗経験者も含む)東海地方の女の子か、金津からの移籍組であった。こうした女の子をターゲットとした場合、当然にも他店との条件の差別化、手取り額・勤務条件その他の雇用条件の緩和が必須の課題となる。JBGの「出勤自由で手取りがいい」に典型的な、勤務条件のハードルを下げると同時に手取り額をアップするというやり方を取らざるをえない。あるいは、そこを最大のセールスポイントにするほかない。(アーバンマキシムの「集客率抜群で手取り最上級」も同様。)
ただ、手取り額を上げれば当然にも粗利が減るのであって、手取りが高額であることを女の子集めの武器とすることは、言うまでもなくつねに売上減退の危機をもたらすことになる。平均客数800本の店なら単純に考えて手取りが5000円違えば1ヶ月400万、年間4800万違ってくるのである。2年で1億近いカネを失うことになる。それが4店舗5店舗あればどうなるか、ということである。
手取りがいいということは、働く女の子にとっては大変魅力的ではあるが、経営側からすればその被害は甚大であり、はなはだしい機会損失といわねばならない。こうしたやり方で女の子を集めなければならないこと自体、店舗運営の観点からすれば、戦略的敗北というべきである。実際、手取りを上げて利益誘導すれば女の子が集まるのは事実であるが、他店との「女の子の取り合い」のなかで利益誘導が激化すれば、それだけ自社の粗利は減退していくのであり、利益誘導で女の子を集めようとすることは、いわば自分で自分の首を絞めているようなものなのである。在籍の多さという現象だけをとらえればJBGの戦略があるいは成功しているようにも見えるが、経営実態は「原価割れ」であったとしてもおかしくない。
人材確保に、もっとも効果的なのはJBGのような利益誘導ではなく、やはり徹底した理想の共有である。古来、人間をもっとも強固に結びつけてきたものはカネでも物でも利益誘導でもなく、高邁な理想であった。政治の世界であれ、経済界であれ、あるいは自然の脅威に立ち向かうムラ共同体であれ、理想をともにすればこそ、人間はともに手を携え、困難を乗り越え、大きな力を発揮してきたのである。間違ってもカネでつられて人間の歴史が刻まれてきたのではない。会社という共同体にしても同様である。強い会社には必ず社員が誇りとする理想がある。この理想をこそ、人がそこに集う根拠とするべきなのである。このことは、R-GROUPのホームページを見た応募者がこのかん「ここなら間違いないと思った」とか「いちばんしっかりしていると思った」と声を寄せているのを見ても明らかではないだろうか。

はじめまして。ソープで働こうと思い、らぶぼにーたでRグループさんを知りました。
働くならソープ本来の仕事をしっかり覚えたいですし、Rグループさんのソープのお仕事に対する考え方にとても共感いたしました。一流のソープ嬢になって成功したいので、勇気を出して応募させていただきました。
(2007年11月26日)

よくサイトを拝見しますが、講習や貴社の路線やビジネスなど、プロ意識が高さにはいつ見ても感動します。こうした所で働きたいものです。きちんと体型を絞ってから、応募します。様々なことをお教えいただいて、本当にありがとうございました。
(2008年2月23日)

情報誌を見る癖がついてたのでいつものように見てたら貴社の広告を見て、感動してしまいました!
でも今のままの容姿じゃ自信ないのでやっぱり絞って面接したほうが良いですか?二十歳・沖縄(2008年1月21日 17:10)

はじめまして、愛知県に住む22歳のハルです。ネットでそちらのお店のHPを拝見させていただきました。
他のお店に比べ、会社の概念がはっきり分かり、理想的なお店だと感じました。
(2008年1月21日)

御社の考え方を見て、ここなら同じ風俗をやるのでも勉強になって、お金はもちろん、人生の糧にもなると感じました。(2008年2月26日)

また一方で、年齢的な問題や事情で働けないにもかかわらず、R-GROUPの考え方に感動した女の子がその思いをただ伝えたくてメールしてきた例も多い。

サイトを見せて頂きました。ソープに対する価値観が吹き飛びました!
お客様から高額なお金を頂くのですから、 お客様が満足されるサービスを提供する。当たり前のことが東京では成り立っていません。私は事情により8月中しか働けなくて時間がないので応募できないですが、感銘を受けましたのでメール致しました。(サイト「らぶぼにーた」経由のWEBメール)

私も吉原でソープのお仕事をしています。
今までこの仕事に自信が持てませんでしたがR-GROUP様のサイトを見つけ読ませて頂き考え方が変わりました。
私も1番始めのお店が貴店みたいだったら良かったと思いました。
これからも頑張って下さい。(2007年9月12日)

こうした声は未成年者からも届いている。

今年の1月まで、高級店と分類される店舗に在籍していましたが、今は新しい職場を探しています。
以前の職場で耳にすることも多かった貴店に興味があり、貴店のHPからリクルート情報を拝見しました。
ソープランドの求人とは思えない文章、経営哲学に感銘を受け、メールを送らせていただきました。
自分がする仕事に自信を持ちたい、人間的にも、女性としても成長していきたいと考えているので、貴店のようなしっかりとした理念のもと経営を行っているお店で、自分を磨いていきたいと思いました。
ですが、当方は今年19歳です。現在18歳では、やはり雇っていただくことは不可能でしょうか…。
お忙しいところ誠に恐縮ですが、お返事いただけたら幸いです。(2008年3月3日)

理想を語り、勝利を共有しようと呼びかけることは、働こうとする女の子にもこうした感動を呼び起こすのである。このような次元の高い心に呼びかけて会社を作っていくことが大切なのだと考える。
また、こうした求人のあり方は、入店後の指導・教育を非常にやりやすくする。ソープ嬢としての理想やその考え方があらかじめ働く基礎としてインストールされているから、教育方針の機軸となる考え方や店長の言葉もまた、ストレートに入っていくのである(もちろんそういう例ばかりではないが基本ラインとしてそういう基礎はある)。
理想を語って呼びかける→共鳴した女の子が入店する→プロのソープ嬢として頑張る→成功して卒業していく。こういうサイクルこそが理想である。
利益誘導する→カネに釣られて入店する→カネ勘定で仕事を考える→・・・こうしたサイクルの先に、われわれが理想とする店舗の姿はない。
女の子一人ひとりの個別的な事情はケースバイケースで考えるにしても、会社総体としては、こうした考え方でいくべきである。

さて、「現段階」と「2005年下半期の方針」以降、求人についてのわれわれの今日的な考え方は、通達「求人に関する基本的な考え方」(2006.7.27)に整理されているが、そこで提起された「リクルート商品」について、ここであらためて考えてみたい。
今、問題としているのは「女の子を集める」という課題であるが、この「女の子を集める」という言葉自体が今日的には正確とはいえない、きわめて時代錯誤的な言葉になっているということに、まずは思いを致す必要があると考えている。
というのは、われわれは普通当たり前のように「女の子を集める」という言葉を使っているが、実際にはそれは事の一面をとらえた言い方でしかないということなのだ。むしろ逆に「女の子が集まってくる」とか「女の子がR-GROUPを選んで応募してくる」といったほうが、正確なのである。つまり、主観的には「女の子を集める」で間違いないのだが、客観的には「女の子が集まってくる」のであり、「女の子を集める」ためには「女の子が集まってくる」ようにすることが当然にも必要不可欠だということである。どうしたら「女の子を集める」ことができるかと問題をたてるのではなく、どうしたら「女の子が集まってくるか」と問題を立てて考えたほうが道理に叶っているということなのだ。上記JBGの利益誘導もひとつの方法であり、またわれわれ流の理想を鼓舞するやり方も方法のひとつであるが、よりビジネスティックな位相でものごとを考えて、われわれの労働商品を女の子に買ってもらうという視点を、ここでぜひとも持ちたいと思うのである。その意味において、女の子はわれわれの労働商品を買っていただく顧客である。顧客である女の子にR-GROUPの労働商品を買ってもらうということだ。
いま仮に、風俗店と女の子との間で雇用という商品を売買する“市場”があると思い浮かべてみよ。通常、それは女の子の労働力商品を売買するものとして考えられ、女の子は労働力の売り手、店舗は買い手とされる。女の子は自らの労働力商品をもっとも高く買ってくれる店舗との売買を望む。通常の労働力市場の理解でいくと、そうなるであろう。しかし、実際に今現在、風俗店と風俗で働こうとする女の子との間に起こっているのはむしろまったく逆で、市場で売られているのは女の子の労働力ではなく、反対に店舗のリクルート商品なのではないかということなのだ。求人誌・ホームページその他を通じて、店舗は自社の女の子向け「リクルート商品」を市場で売りに出す。そして女の子は応募というかたちでそれを買いつけるということなのではないか、ということである。そこにおいて主客は完全に逆転している。女の子は売り手ではなく買い手、店舗は買い手ではなく「リクルート商品」の完全なる売り手ということなのだ。

そうした理解で求人を考えたとき、店舗がやるべきことは、市場において「いいお店ですよ」「稼げますよ」と声高に叫ぶことでも地味に座っていることでもなく、旗幟鮮明で魅力的な「リクルート商品」をいかに用意するかということではないかと思うのである。

「1日10万10日で100万!短期お稼ぎツアー」は、ある程度そうした意識で打ち出された方針であるが、こうした考え方はすでに他風俗他店舗も意識的に始めている。下図は福岡の求人誌に掲載された名古屋ヘルスの求人広告である。

■ 「金沢or名古屋 1週間滞在60万円パック」
■ 「3泊4日〜3週間位のコミコミ体験パック」
(旅費・宿泊費など当店が全額負担!観光・ショッピング・グルメツアー付)
というキャッチフレーズで、裏表紙に大々的に打ち出している。
女の子の労働力を買おうというのではない。自社の雇用をパック商品=リクルート商品として売り出すということであり、風俗店と女の子の雇用をめぐる今日の労働市場のあり方に則した求人のしかたというべきであろう。
こうしたやり方は、たとえば学生を対象にした「夏休み2週間の体験ツアー」とか風俗素人を対象にした「2泊3日体験ツアー」とか、いろいろ考えられる。「お稼ぎツアー」という考え方をさらに発展させて創意工夫をこらした「リクルート商品」を作り出していくことが必要である。
こうした考え方と取り組みを通じてわれわれは、求人という課題において「女の子をたくさん集める」という端緒的な理解ではなく、風俗店と女の子の雇用をめぐる今日の労働市場において100パーセント売り手として自社リクルート商品のシェアを拡大するという理解を目指すべきだということなのである。

さて、自社のリクルート商品のシェアを拡大すると考えたとき、その対象となるフィールドは当然にも日本全国になる。漫遊記やヘブン経由の女の子や金津からの移籍組に頼らず、求人対象を日本全国に広く求めたことの効用については、これまでにもくり返し確認してきた。

応募の水路は、われわれの場合、かつてはヘブンなどの風俗雑誌を見て応募してくる金津内移籍経験者やヘルス経験者に無自覚的に求めてきたものを、2004年秋から2005年初頭にかけて、はっきりと「募集対象を素人も含めた全国に広げると同時に、インターネットの全社会的広がりという情勢に鑑み、HPを通じた求人に力を入れる」という方針に転換した。
つまり、これまで雑誌などの固定的な媒体に頼って応募を待つという姿勢であったものから、インターネットを駆使して積極的にネットの海に打って出るという姿勢に転換したということである。漁にたとえていうならば、これまでは定置網にかかる魚をじっと待っていたあり方を変え、はえ縄漁のようにネットの海を動き回り、あるいはより広大な対象海域に投網をなげて魚を一挙に捕獲するというやり方にしたということである。
対象となる女の子が存在する領域を「海」とたとえるならば、定置網からはえ縄漁への転換が、「陸(おか)」とたとえるならば、R-GROUPへ至る川の流れ=水路を、全国津々浦々に灌漑工事のようにつくりあげ、はりめぐらせるという発想の転換が必要なのである。 この「はえ縄漁」もしくは「水路建設」は、雑誌・WEBなどのメディアを利用するという位相と、地域別という位相、対象とする女の子の職種別という3つの位相において分析され用意されなければならない。
「求人に関する基本的な考え方」(2006.7.27)

こうした「全国戦略」を力強く推しすすめた結果、実際にも現在R-GROUPの総在籍数80名余のうち50パーセント以上を地方からの赴任組が占めるという状態になっている。今後も地元の女の子が半分、あとの半分が全国から入れ替わり立ちかわり次々と入店しているという状態が理想的であろう。東海地方の客層にとって、全国からの赴任組は新鮮であり、興味の湧く対象でもあり、それ自身集客力をもつ魅力ある商品となっている。この方針は今後も堅持していきたい。

総じてわれわれは求人という課題において、全国を対象に、理念を高々とかかげ、求人市場において自社リクルート商品の継続的なシェア拡大を目指すという方向性でものごとを考えていくことが必要だということである。その結果として女子スタッフの入店ルートを確立するということと、そのルートから意識的に間断なく新人を入店させるという課題をやり抜いていくことである。ただ、こうした考え方はしかし、各店舗の責任者の個別の努力を排除するものではない。これまで、店長の人脈や交際範囲のなかで多くの有望な女の子が輩出されてきたことも事実であり、こうした独自の努力は当然にも継続されていかなければならない。風俗嬢の“お友達ネットワーク”に依拠した評判=噂の人為的創出という契機も重視していくことである。



Aホステスの教育をしっかりすること
入店した女の子=ホステスさんをしっかりと教育していくことは、店=グループ全体のサービスレベルを統一し、安定したサービスを提供していくうえで必要不可欠な課題である。
最初にことわっておくが、「サービスレベルを統一する」といっても、すべての女の子がまったく同じサービスを提供するとか、サービス内容が均一であるべきだと言っているのではない。たとえば、熊本ブルーシャトーのように、誰に入ってもまったく同じサービス内容で、まるで金太郎飴のようにどこを切っても同じ顔が出てくるというような没個性的なサービス内容は、今日のニーズに照らして決して適当であるとはいえないと考えている。
むしろ、女の子それぞれにおいて個性的で変化に富んだ内容であってよいし、顧客の求める内容を日々創造=再創造していくような視点こそが大切であるとは思う。ただ、原則として高級ソープランドとしての一定のサービスレベルは当然にもすべてのホステスさんが体得しているべきであり、あくまでもそこが基礎であって、その基礎は基礎としてしっかりと押さえつつ、そこからの発展形態=応用として各個人の創意工夫をこらしたサービス内容が考えられるべきだというのである。高級ソープ嬢としての基礎的なサービスができない状態で応用や個性を云々することは、ソープランドというサービス業の根本をスポイルするものであって、現時点においてはやはり認めがたい偏向というべきである。
この点、吉原ピカソの考え方についてひとこと言及しておきたい。ピカソの体験的な報告についてはレポート「高級店建設からの逃避--ピカソ再考」に書いたとおりであるが、このたびホームページにおいても「風俗的なサービスの排除」を明確に打ち出したことでその姿勢がいっそう明らかになった。マットや椅子洗い、浴槽プレイ、あるいは即尺などのソープランド固有のサービスをいっさい認めず、

「当店には風俗のプロ的な女性は在籍致しておりません。それよりも一般社会で評価される女性らしさを基準としております」

とあえて言い切るその姿勢は、あるいはソープ業界全体への挑戦とも受け取れる。しかし、「男の最高の遊び場」に求められる女性スタッフのサービスの質は、一にも二にも「男に尽くしぬく」女性としての献身的な姿勢ということではないだろうか。そしてこの「献身的な姿勢」は、即尺・即ベッドなどの具体的なサービス内容として実現されるのであって、それ以外のなにか一般的で抽象的な「献身」があるわけではないと考える。ソープランド固有のサービスをスポイルしたあと、容姿などの外的条件以外になにが残るというのか、聞いてみたいところである。

高級店に求められるニーズは、今も昔も「極上のホステスから、極上のサービスを受ける」という点にこそある。そして極上のサービスとは、現在のところ、やはりソープに固有な具体的なサービスということになるのであって、ここをスポイルしてしまったのでは、もはやそれはソープではないといえよう。ピカソはソープランドではない、別のサービス業に移行しつつあるように見受けられる。その行く先に成功があるのか失敗があるのかは、正直まだわからない。あるいは一定のニーズを得ることはあるのかも知れない。「風俗的なサービスよりも恋人チックな時間をゆっくり楽しみたい」というニーズは、実際われわれの土壌にもあるのであって、あるいは方向性として一定の需要はあるのだと思う。しかし「モデル・タレント級の女の子ばかりを入れてソフトなサービスをさせる」という現在のピカソのようなやり方は、東京という地の利を生かした豊富な人材確保があってはじめて成り立つものであって、現状金津園でそのやり方を当てはめるのは、危険であり、無謀というべきであろう。やはり、古典的なサービスを基礎としつつ、その発展のなかに新しいニーズを模索していくというのが正道である。(また、ピカソの方針自体、かれらの積極的な選択としてあるというよりは、求人=営業の双方において高級デリヘルの台頭に圧され、生き残りをかけて否応なく選択した方針であるとも考えられるのである。)

さて、ホステスさんの教育といった場合、基本的には店長による指導と講習員による指導のふたつが考えられるが、一切の組織的指導の根幹には、やはり店長による指導が座るべきである。
店長とは、店舗運営に関して絶対的な権限と責任をもつ最高指導部である。スタッフの入店・退店の決裁に始まり、出勤の管理、接客内容の点検も含め、店長は店舗運営に関する一切の日常的指導を貫徹する権限を持つ。同時にまた、店長は店舗運営に関して起こりうるすべての問題について責任を負う。そうした立場から、ホステスさんをしっかりと育て、有効に勤務させていくことを日常的な任務としている。講習体制や講習内容についても、講習員との綿密な討論を行なうなかで、個別一人ひとりのホステスさんに対する指導を強めていかなければならない。
ホステスさんの教育、-----もし店舗とホステスさんのあいだに「教育」ということが可能であるとするならばであるが-----、その根本には「R-GROUP勤務の約束事」などの会社としての方針がその中心軸としてすえられるべきである。
一般に人を教育するといった場合には、何か具体的な指針を通じ、その指針に照らし合わせて考えや行動をそこに準拠させるといったかたちをとることになる。つまり店舗運営を適切に貫徹するためにスタッフを営業のステージに整列させるということだ。健康管理を通じた出勤の確保、リターン客を獲得するための接客内容の指導など、ホステスさんの教育といった場合のひとつの目的は、この「店舗運営の適切な貫徹」という点にある。
同時に、そうした営業人としての姿勢の確保のうえに、ホステスさんそれぞれの「働く理由」に応じた彼女たち自身の成長と成功という契機をぜひとも重視したいと考えるのである。

「われわれは、ホステスを売り上げの道具とするような、血の通わない考え方はもとより採用していない。 R-GROUP で働いくことが、ホステス自身の未来を切り開く道となるようなあり方を模索してきたつもりである。これは、今後も変わることはない。」
「基本的には、ホステス自身の成長と成功を導く方向での指導である。幹部とフロント担当者は、いうなればホステスの「成功物語の演出者」になろうということである。風俗店とそのホステスとの関係でよくある「店の売り上げのためにお前ら無理しろ」式の指導は通用しないということである。そうではなく、「君の成功をどのようにイメージするか、その成功のためにはこういう課題がある、その課題達成のためにどう努力し自分を追い込んでいくか」という問題の立て方でホステスを駆り立てていくのである。人を生かすやり方、あるいはやる気を引き出すやり方である。艶グループのホステス管理の杜撰さ、下着の強制販売などのホステスに対する利用主義を反面教師としつつ、われわれらしいホステス管理のあり方を追求していかなければならない。」(R-GROUPの現段階)

ホステスさんに対するこうした血のかよった指導のあり方にこそ、R-GROUPがR-GROUPたるゆえんであるといえる質が表現されるべきであり、こうした日々の、指導部としての、そして人としての絶え間ない努力のなかにこそ、「人が宿る会社と仕事」が実現されるのだと考えたいのである。これは男子に対する指導においても同様である。
また、こうした「女の子自身の成長と成功」を作り出す会社の姿勢こそが、多くの働く女の子の共感を生み出すのであり、結果R-GROUPのリクルート商品のシェア拡大を作り出していく基礎となるものである。
今後の課題としては、ホステスさんを指導・教育していくための考え方の基礎となるテキストを作成することである。「スタッフを営業のステージに整列させる」ためにも「働く論理」を練り上げ、そこにホステスさんの勤務のあり方を準拠させる努力をすぐにでも開始しなければならない。また、それが「風俗で働く女の子の気持ちを支える哲学」となって、それが全国の女の子の支持を得て応募につながるというサイクルを形成するのである。

課題
■講習体制および的確で粘り強いホステス教育=指導の核心とは、安価で高品位な耐久力に優れた労働力の形成ということにほかならない。
■女子用のクレド。あるいは女子にも共有されるべきクレド、R-GROUPベイシックの作成とそれを通じた社員の意識向上という考え方




B宣伝を強くする。とくにネットと雑誌。
宣伝戦におけるインターネットの役割と位置づけについては、すでにこれまでにも多くのことを述べてきた。これなしにはいっさいが語れないものとして、2005年を皮切りに男子幹部を先頭にしてこの課題に全力で取り組んできたし、その結果として、今日の地平があることも間違いない。ただ、この課題は達成され、終了したわけではない。“WEB2.0時代”を迎え、WEBの世界は今日もなお日進月歩の途上にある。仮にいま、インターネットによる宣伝に段階をつけるとしたら、こうなるだろう。
第一段階:テキストと写真の提供・・・雑誌の固定情報がWEB上にあるといった段階
第二段階:テキストと写真の提供・・・それが主体の判断で随時入れ替わる段階
第三段階:出勤などのDay情報の提供
第四段階:案内時間などのTime情報の提供
第五段階:提供される情報をユーザーがホームページ上で管理できる(ログイン画面がある)

写真とテキストの入れ替えまで自社で行なっている店舗はまだ少数派かもしれないが、まずすべての店舗が現在、第三段階の「Day情報の提供」まで来ており、その上をいく「Time情報の提供」にまで踏み込んだという点に、われわれの“わずかな”優位性があった。一日も早くPC版をリニューアルし、携帯版・PC版ともに第五段階までクリアして、他社を圧倒し、突き放さなければならない情勢であることは明らかであろう。他店舗に対する自社店舗の優位性は、根本的には男子およびホステスさんのサービス内容・接客内容において表現されるべきであるが、ビジターである潜在顧客に対しては、まずもってホームページの内容においてアピールされなければならないし、実際、潜在顧客はそのように判断するのである。システム・デザインともに大幅な改革を断固としてやりぬかなければならない。

C男子の接客をしっかりさせる。
男子スタッフのサービス=接客内容の確立およびその教育について。ソープランドの他風俗に対する優位性のひとつとして、男子の接客が挙げられる。紳士的でサービス精神にみちた男子の接客こそ、ホステスさん以外でソープランドが誇ることのできるサービスであり、これこそは他風俗にはないものである。

われわれは、男子の接客および店舗が顧客に対して用意する接客=サービス内容において、たとえば高級ホテルが必死で追求しているような「おもてなしの心」にみちたサービス内容を提供したいと考えている。それは「接客」というものを根本的に追求していくならば、当然にもたどり着くべきものである。「接客人としての自分を磨く」という課題を考えたとき、具体的にはこうした「おもてなしの心」とその実践が問われることになるのである。「2005年下半期のR-GROUP組織方針」では男子の接客課題について、次のように提起されていた。

男子スタッフは引き続き、一人ひとりが接客のプロとして自分自身の「接客術」を練り上げていく。とくに今後は「リッツカールトン式」のパーソナルサービスを R-GROUP の基本サービスとしていく。とくに、「リッツ」のクレド( credo )に代わるような、われわれ自身の接客哲学を作り上げる。

リッツカールトンのクレドに代わるわれわれ自身の接客哲学とは、ひとことで言えば「心の羅針盤」のようなものであるべきだと考えている。よくある職場マニュアルのようなものは「まったく意味がない」とはいわないにしても、具体的個別的な場面においては役に立たないことも多い。顧客が100人いれば、100通りの接客があるのであり、作業の流れとしては同じであったとしても、「心の感じ方は、ひとつとして同じものはない」と考えるべきである。
そう考えたとき、求められる接客哲学の指針は、個別的な場面において個々のスタッフが応用できるような、根本的な考え方の基礎=基本的な考え方であるべきだということなのである。こうした「心の羅針盤」がしっかりと心の中にすえてあるならば、個々の場面においてどのような対処すべきかは、自ずと理解され実践されるだろうということである。

リッツカールトンの「ゴールドスタンダード」において、クレドは次のように記されている。

【クレド】
リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。

私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだそして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。

リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。

とりたてて特別な指針が提起されているわけではない。しかし、リッツ式サービスのすべては、このクレドのなかに表現されていると考えるべきである。あるいは、すべてのサービスは、この考え方を基礎にして、ここから派生していると考えるべきである。
われわれ流に解釈し、整理するならばさしづめ次のようになろう。

R-GROUP 私たちの信条・CREDO(クレド)=心の羅針盤
■私たちはサービス業を生業とするものとして、お客様に喜んで頂くこと、お客様に心からのご満足を提供することを、その任務とする。
■そのために私たちは、心のこもったおもてなしを大切にします。
■お客様の要望を先読みし、先回りしてそれを実行し、お客様の予測を上回るサービスを行なうことで、お客様に感動を与えます。

結局サービス業の根本は、これ以上でもこれ以下でもないのである。こうした当たり前のサービス精神を大切にし、一つひとつきちんと実践していくということであり、そのために心の羅針盤をしっかりと持つということに尽きるのである。
またこうした課題を組織的に実践していくうえにおいては、方針そのものはお仕着せのものでないほうがよい。事の本質上、サービス精神を強制することはできないし、また実際、誰かに強制されて嫌々行なうようなものでもない。むしろ逆に、それは現場から提起されてくるべき質のものである。・・・伸び行く指向性をもつ接客人としての心に導かれて、日々の現場実践のなかから鉄火のごとく鍛え上げられてくる「接客の論理」・・・これこそがわれわれにとって至高の珠玉なのである。
R-GROUP的なクレドの基本ラインは上記のもので間違いないと考えるが、上記の理由から、これについては、ぜひとも基幹スタッフ全員の「リッツ本」の読了と実際のリッツカールトン研修を踏まえたうえで、意思の共有化をはかりたいと考える。

なお、このかんの面談のなかではっきりしたのは、男子が接客中に名刺を出す場面があまりにも少ないことである。名刺を出すという行為は、責任の所在を明らかにすると同時に、自らが当該のお客様の担当者であることを宣言し、次回の来店を促す重要な契機であって、もっともっと重視されてしかるべき課題であると考える。
実際、経験上でいえば、きちんと名刺を出して接客することがかつてはあたりまえであったし、名刺をもらえない時代には、上がり接客の際、店の名刺に自分の名前を手書きして渡していた。その結果として男子指名の電話が増え、最終的には「君がいるからこの店にくるんだ」といわれるようになる。それが、接客人としての喜びでもあり誇りでもあった。逆にお客様から「名刺をくれ」といわれないということは、とりもなおさず「お遊びのアドバイザー」として興味をもたれていない=信頼を得ていないということであり、接客人としてこんなに寂しいことはないのである。自分の接客人としてのステージを上げるためにも、積極的な営業が必要ではないだろうか。そうした努力は個人プレーでもなんでもない。むしろ顧客の店舗への認知を高め、店舗全体の接客の質を向上させるものである。また、実際そのためにこそスタッフの名刺は作成されたのである。
恐れずどしどしチャレンジすべきである。

すでに3年〜4年前のことであるが、吉原の高級店「粋蓮」に行った際にうけた接客とその際にもらった名刺を紹介しよう。


接客してくれたのは、35〜40歳くらいの「井関」という主任であった。上がりにおいて今日の女の子の感想その他を聞き込みしたあと、ひと通り女談義をして好みを聞きだし、その好み=タイプに基づいてアルバムを見せながら数人のキャストを紹介し、名刺の裏にその詳細を書いて渡してくれた。
井関氏の場合、それぞれの女の子についての紹介をキャッチフレーズで行なう。
たとえば、
□麻里というキャストは「稀代の名器、かずのこ天井」、
□早見というキャストは「お仕事バッチリ、ぜったい満足」、
□希崎というキャストは「不動のナンバーワン、男だったらぜひ一度」
などなど。
こうしたキャストの売り出し文句がラップのようにスラスラと出てくる。そして「忘れないように書いておきましょう」といって名刺の裏にパッパッと書く。こうした営業努力は、それ自身キャストのP指名につながると同時に、店舗そのものへのリピートを促す強力な力となる。(また売り出されたキャストは男子への感謝の気持ちを持つようになって指導が貫徹しやすくなる。)
こうした営業努力はソープのスタッフにおいて至極当たり前のことであり、われわれの店舗においても日常的に行なわれていることでもあるが、名刺を活用する効用については、ぜひとも学びたいところである。面談時に行なわれた「男子スタッフ自己点検項目」で問われた下記の課題はこうした接客のあり方についての創意工夫をわれわれに要請しているのである。

□ホステスさんの名前、特性、売り文句、スリーサイズなどが頭の中に入っていて、すらすらと言える。お客様に対し、店のホステスさんの紹介が確実にできる
□常連のお客様の顔・名前・車種・お遊びの履歴が頭の中に入っている
□各ホステスさんの特性・成長プログラムを理解し、それに沿う形で聞き込みができる
□ソープランドのスタッフとして、お客様の歓心をくすぐる会話ができる
□自分の力で、お客様を店につなぎとめることができる

※余談であるが、粋蓮に電話してみると、井関氏は「ずいぶん前に辞めた」とのことである。男子を指名する電話への感謝の気持ちもまったくなく、「もうそんな人いませんねー」くらいの対応であった。寂しいものである。

さて以上、「ソープランドの営業において必要な4要素」について現在の地平から簡単に整理した。「現段階」と「下半期の方針」のふたつの総括的な路線が提起していることも、根本的にはこの4要素を深めていこうということにほかならない。
そもそも、路線的な考え方を基礎にして日々の営業を行なっていくというあり方は、われわれの生命線であり、根本的な立脚点である。また同時に、路線=戦略=戦術は、事務局から出される一方的な方針としてではなく、生きた現場の取り組みのなかで体験され教訓化されたものがわれわれ全体の経験として昇華され、それをもとにどしどし豊富化されていくべきものとして理解されなければならないということだ。
その意味において、路線はスタッフ全員のものである。

デリヘルの台頭、取り締まりの強化など、ソープランドをめぐる情勢は、最近とみに厳しくなっている。われわれは、情勢全般および顧客ニーズとしっかり呼吸しあいながら、われわれ自身が生きるこの道を、真に意味あるものとするために、今後も努力を続けていかなければならない。その意味において、「現段階」で提起された下記のような幹部のあり方は、今日ますます求められているのだといえる。スタッフ一人ひとりが役職にかかわらず、その先頭に立つ決意で頑張りぬこう。

男子スタッフは、同時に配布される「自己点検項目」に照らし、自らの仕事内容のレベルアップに努めていかなければならない。
われわれは、いわば接客のプロである。人を接客することの意味を根本から問い直し、自分自身のなかに接客人としての魂と技術を作り上げていくことである。お客様の名前と顔とクルマを覚えること、お遊びの履歴を頭のなかに叩き込むこと、そのためにノートをつくり、自分だけの「虎の巻」をつくることである。お客様の顔を見た瞬間に名前と履歴が頭に浮かぶというのでなければならない。「明日あたり○○様の予約が入りそうだ」と検討がつくようになれば本物である。「接客のプロ」となること、「一流の接客人」となることを目指そう。
幹部は、そうした人材の育成に全力を傾けるべきである。そして自らをそうした教育的人格に鍛え上げるべく、学習と努力を惜しんではならない。幹部の働きこそ、会社の消長を占う鍵である。幹部およびフロント担当者にあっては多重な任務を十手観音のごとくこなしきるバイタリティー、八面六臂の活躍をとくに期待したい。全国の風俗店にライバルが 1000 人単位でいることを常に念頭に置き、知力・体力、時代を取り込む能力において、決して遅れをとることなく、日々の仕事に立ち向かっていかなければならない。


(以上)