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2016年08月12日 (金) 22:32更新



新人が入店したときには当該キャストに対して高級ソープランドのサービス内容についてしっかりと講習を行い、一定の「完成」をみたうえでデビューさせる。そしてデビュー後も随時再講習を実施してサービス内容の向上につとめる。
こうしたことは、あらためて言うまでもなくソープランド運営において当たり前のことであり、店側の立場からもお客様の立場からも否定できない自明のことがらであると思います。

しかしながら私たちが、とりわけ経験者の面接や講習で知り得たことは、こうした当たり前のことがらがソープランド界においてことごとく否定されている現実があるということでした。
経験者の面接でインタビューすると、こんな答えが返ってくることがあります。

「講習は2時間程度、お店のお姉さんに教えてもらってすぐにお客様についた」
「マットはやらない人が多いから出来なくてもいいと言われ、マットはまともに教えてもらったことがない」

そして驚くべきことは、これが決して例外的なものではなく、どうやら非常に多くのソープランド店において常態化しているらしいということです。
これは2つの側面において考えることができます。

一つは、専門の講習担当がいないなどの理由で、講習体制がとれないというマンパワー的な問題。
もう一つは、そもそも高級ソープランドの基本的なサービス内容ができなくてもかまわないと考えている店側の根本的な考え方の問題です。

たしかに、私たちも経験的に感じていることですが、いわゆる「お仕事」が完璧にできるプロっぽいキャストよりも、多少ぎごちなさは残っていても一生懸命に頑張ろうとする素人っぽいキャストのほうに、さしあたり人気が集まりがちであるということは、あります。

しかしその“事実”をもって「経験が浅いほうがよい」「仕事=サービスはできないほうがよい」と考えたとしたら、それは顧客側のニーズを正しく吸い上げているといえるでしょうか。
私どもの経験で言うならば、マットプレイやイス洗いを含めたオーソドックスなサービスを求めまたそのサービスに価値を置くお客様の割合はおよそ7割。ベッドのみでいいとされるお客様は2割程度であり、古典的なサービスを求めるお客様の割合のほうが圧倒的に多いというのが現実です。

またもっとも大切なことですが、ソープランドの古典的なサービスをしっかりと提供するということと、一生懸命さとは決して対立するものではないということです。お客様に喜んで頂きたい、ちゃんとサービスを提供して満足して頂きたい!という心がまえは接客業のもっとも根本的なものであり、経験や経年によって変化してよいというものではないと考えます。

もし仮にあるキャストサービスにおいて「新鮮味」がなく「お仕事的」で感動のないものであるとするならば、それは当該のキャストが「お仕事系」のキャストだからなのではなく、そのキャストがもっとも大切な接客業の根本や初心を忘れてしまっているからにほかなりません。初心を忘れてしまっているからサービスに魂が入らない。だから「仕事慣れしている」「流れ作業的だ」という印象をお客様に与えてしまっているのです。

現在、風俗の遊びのなかで経験豊富なキャストよりも素人を好む傾向が多くなってきているのは、経験あるキャストが初心を忘れている例があまりにも多いからなのではないでしょうか。
そうした経験がお客様をして「経験の長い子よりも素人」という選択をさせているのではないでしょうか。

私どもR-GROUPにおいても、素人新人のデビュー戦へのご予約の殺到という現象はあります。しかしそれはご祝儀指名も含めた一時的なもので、長いスパンで見れば経験を積んだ定評のあるキャストへの指名数が圧倒的といえます。

そもそも、経験を積んだ古典的な接客が評価されないとしたならば、高級ソープランドは成立しません。
高級ソープランドのもっとも本質的な課題は、素人を素人のままにデビューさせてその”新鮮さ”をあおることにあるのではなく、「愛情・献身・エロス」に満ちたキャストを講習=再講習を通じて育て上げ、同時にそのキャストが初心を忘れず一生懸命奮闘するように徹底して教育するという点にこそ、あると思います。

私どもはそのことを深く確信し、デビュー戦のみならず日常的営業においてもサービスのインスタントな考え方を徹底的に排除し、講習を重視して参りたいと考えます。

なにとぞご理解のほど、お願い申し上げます。

(2016.1.1)

「一日体験できますか?」こういう求人の問い合わせがかなりあります。

「一日体験」というのは、ヘルス店などでよく行われていますが、「キャストさんに体験的に一日だけ働いてもらい、そのキャストさんにお店を気に入ってもらい、入店を決めてもらう」という雇用関係を逆転させた考え方に基づくもので、雇用側においてもキャスト側においてもアマチュアリズムの極致を行くような考え方です。

「講習をしっかりと受け、そのうえで短期で体験的に働いてみる」というのであれば、それは理のあることであり、私どものグループでも「遠方からの短期滞在型勤務」として実際に取り入れ行っているところです。

しかし、講習を受けることもなくお客様の前に出るとか、あるいは講習も受けていないキャストをお客様の前に出すということは、接客業の常識で考えてそもそもありえないことです。

まして、講習なしで「やってみて」その結果正式に入店するかどうかをキャスト本人に判断してもらうなどということは、キャストへの譲歩をこえて雇用関係の本質を逆転させるものであり、本末転倒も甚だしい考え方だといわなくてはなりません。

もともと雇用=入店は応募者が自分で決めることではなく面接を通じて店側が決定するものです。それはきわめてシンプルな理屈であって、社会一般的にいって当たり前のことです。

「一日体験」は、この当たり前の雇用関係の前提を逆転させ、入店の決定権をキャスト側へ投げ渡してしまうもので、その歪んだ雇用関係の影響・被害をもっともストレートに被るのは、じつは顧客側=お客様です。

当たり前のことですが、接客するためには高級ソープにおける接客のあり方をある程度理解し、その接客術を初歩的にもせよマスターする必要があります。そこがスポイルされていたとして「風俗の王様」とか「高級ソープランド」を名乗ることがはたして出来るでしょうか。
また、同じ料金を払いながら、ついたキャストが講習も受けておらず基本的なこともマスターしていなかったとしたら、そのような接客に納得できるでしょうか?

このことは、他のキャストさんにとっても同様で、新人が講習なしでお客様の前に出て、それが認められるとするならば、そもそもサービスを提供するのに講習は受ける必要もなく、技術・魂を磨く必要もなく、ただただ素人売りをすればいいということにもなりかねません。

初舞台の前にはみっちりと練習を積む。そんな当たり前のことが「キャストの頭数を増やす」「とりあえずその日の売上をつくる」という目的のために投げ捨てられ、サービスの理想が彼方に追いやられていく。その先にあるものは、サービス業の理想とは無縁のアマチュアリズムにまみれた無残な店の姿なのです。

やはり、われわれは「講習を経て初めてお客様の前に出ることができる」という、当たり前の考え方を大切にし、そのことによってオーソドックスで間違いのないサービスを提供する店づくりをしていきたいと考えております。


(2014.10.4)