そば屋のオヤジが「俺はそばを食ったことがない」といったら、おかしなことになる。しかし、三度の飯がそばで、ほかのメニューを食べたことがないというのも問題だ。和食の巨匠は、イタリアンも食べる。しかも、一流の店で一流のイタリアンを食す。六本木にある寿司店「鮨なかむら」の中村将宣氏は大阪高麗橋の吉兆出身だが、牡蠣をフランス料理の真空調理の技法でボイルして出したりもする。
他流試合・道場破りは、武士の時代から自分磨きのための常道だ。
われわれがソープランド店に客として行くのは、100パーセント仕事のためであり、他社のサービス内容を点検し、あるいはそこに学び、自社の商品(サービス)にフィードバックさせていくためである。あるいは自分自身のなかにあるソープランドサービスについての基準=座標軸をつくるためである。
どのような行為が客の感動を呼び起こし、その心をがっちりとつかむのか?あるいはどのようなサービス内容が客をがっかりさせるのか?
その基準をしっかりとつくることを通して、最終的にはソープランドサービスを自分が指導できる内容をつくっていくことである。つまりソープに行く行為の最終到達目標は、自分が講習を行えるようにするという点にある。
もちろん現在のR-GROUPにおいて男子が自ら実地講習をすることは当面ないが、口頭で補足指導をする場合でも、自分が椅子洗いやマットプレイができるのとできないのとでは、言葉の重みが違ってくる。注意・叱責する場合でも、膝移動の辛さを知っているのと知らないのとでは、キャストへの言葉の染み入り方が違ってくる。
ソープランドサービスそのもののマスターは、ソープランド指導者にとって必須の課題といえよう。
では、具体的にどこの店に行けばよいのか?
残念ながら現在の金津で同業者を入れてくれるところはあまり見当たらない。以前は「義理風呂」といってお茶引きしそうなキャストに知り合いの同業者を入れたりすることも多かったが、キャストが嫌がることが多く、今ではあまり聞かなくなった。
したがって当然、吉原・雄琴・福原・中洲などの他地域にその場を求めることになる。選ぶ地域や店舗・キャストは、読書でいうところの濫読と同じで、行きたいと思うところに手当たり次第に入りまくればよい。そのうち玉石混った経験のなかから有用な店・珠玉のキャストを取捨選択できるようになる。
とはいえ、時間も予算も限られているだろうから、ある程度の目安を書いておこう。選択の位相としては以下の4つになるかと思う。
A.(店の料金別)超高級店・高級店・中級店・大衆店、それぞれひと通り見ておく。
B.(地域別)吉原・雄琴・福原・中洲、それぞれの地域をひと通り見ておく。
C.(店の人気別)地域トップの人気店・勢いのある店・よく集客できている店と、そうでない店のいずれも見ておく。
D.(キャスト別)サービスで定評のあるキャスト・リピートの多い人気嬢、逆にルックスで売っているキャストや人気のない嬢などキャスト中心でいろいろ選択してみる。
AからDのそれぞれの位相において、良い意味でも悪い意味でも印象に残った店、筆者が今でも行った甲斐があったと思われる店あるいはキャストについて、以下少し書いておこうと思う。
■雄琴フォーナイン(8万から9万くらい)★超高級系
フォーナインとは、言うまでもなく金の純度をあらわす単位で99.99パーセント。これ以上を純金というが、つまりそのレベルにおいてソープ「フォーナイン」は混じりけなしの純金だというわけだ。オーナーの趣味もあって、内装には億のカネをかけている。箱だけのことをいうなら、間違いなく日本一だろう。キャストは素人中心の採用であるが、ルネッサンスであまりパッとしなかったキャストが採用されたりもしている。また元ルネ→貴公子の早乙女めぐみさんが講習を担当していたことがある。(その際、講習の復習のためR-GROUPに特別講習を受けにきていた。)古典的ソープランドの追求というよりは、富裕層を対象に豪華絢爛でリッチな空間を楽しんでもらうための店といえる。
■中洲ビーラリック(10万くらい)★超高級系
レポートがあるので詳しくはそちらを読んでほしい。内装にはカネをかけている。
■吉原ピカソ(6万くらい)★高級系
これもレポートがある。店の姿勢・考え方が他店と違って特殊である。悪くいえば古典的ソープランドから逃走しようとしている店。よく言えば、ある種のニーズを掴んで成功している店。
■吉原粋蓮(6-7万か)★高級店
考え方はピカソに近い。素人・清楚・お嬢様系のキレイどころを集めた店。
■熊本ブルー・シャトウ(90分44000円)★高級店
古典的ソープの老舗であり名店と言われる。キャストの献身的な姿勢については古典的な仕事が継承されており、全国のソープ関係者がここに学んでいるともいわれる。ネット広告をいっさいしない。一見客やネットを見て来る客は断られる。会員が同行しないとまず新規では入れない。伝説尽くしの店ではあるが、今日的なニーズに合致しているかどうかは疑問。しかしいろんな意味で、今日でも学習・批判・検討の対象ではある。系列のエアポートなども同様。ただし、男子の仕事に学ぶべき点はない。
■吉原オペラ本店(5万程度)★高級店
古典的ソープランドを標榜する数少ない店。というよりは、ほとんど唯一の店。以前は「職人の店」などと言っていた。今は「吉原正統派ソープランド」と言っている。筆者はホームページに写真が出ていない淳さんに入った。「完全なお仕事派の淳です。本当の吉原を教えてあげる」というキャストコメントに惹かれたからだ。しかし、悶えながらひたすら舐め上げるというその仕事内容には正直閉口した。仕事ができるとはこういうことをいうのだろうか?と、正直、仕事論・サービス論の根本について考えさせられた。この淳さんに入ると、私が「現段階」で「高級店においてサービスも大切だが女性としてのグレードが第一義的に求められる」と書いた意味がわかってもらえると思う。
筆者が「注目」している店
●中洲・ジョイグループ:中洲の高級店グループとしては最大の9店舗。もともとここのホームページが美しいつくりだったことから、われわれも同じ業者に頼んだ経緯がある。不動のナンバーワン「小早川りえ」あたりには入っておきたいと思う。なお、われわれとは以前、スカウトがらみで揉めたことがある。
●中洲・TOKYO B GROUP (TBG):ジョイグループと双璧をなす中洲の高級店グループ。ただし、こちらは全6店舗すべてがS着である。キャストは全員3日間の講習を受けているらしい。
●福原アロー:ヘブンネットで全国バナー、ヘブン誌で表紙モデルを飾るなど、ヘブン重視戦略で成功している(と思われる)店。サービス内容は不明。
※2015年2月、行ってきた。高級店サービス嬢と中級店サービス嬢との混合店。直前の予約だったので、中級サービス嬢ひとりが空いている状態で、その嬢に入った。札幌からの出稼ぎ嬢で、接客の基礎ができていない(その気がない?)キャストだった。店はそれなりに忙しそうで、パネル・アルバムの数からして在籍は50人を軽く越えているように思われる。キャストの売り出し方が芸能事務所のようであり、キャストは接客人というよりもタレントという扱いである。この点については、総合ホームページ「丹羽統括に聞く『キャストはタレントではない』」を参照のこと。
●雄琴アムアージュ:アローと同様、ヘブンネット重視の店。サービス内容は不明。
ネットを見るかぎり、アローとアムアージュが関西の2大人気店というイメージである。(まさに「人気店イメージが人為的に創出」されている。※2012年の基本方針参照)
●中洲パスポートグループ:50分20,000円90分30,000円という大衆店だが、マットの代わりにアロママッサージを導入している。マットの代わりにアロママッサージという発想はわれわれにもあったが、やはり出てきた。どの程度のニーズを拾えるのか注目したい。(アロマソープは吉原にもあってそれなりに成功していたようだが、雑誌『女性自身』にソープ嬢ではなくコンパニオン募集というサテライト広告を出して摘発を受け、廃業に至っている。)
筆者が「注目」しているキャスト
ソープの仕事を覚えるにはいちばん有用なのは、店舗で選ぶのではなく定評あるキャストで選ぶ方法である。かつては有名で伝説的なソープ嬢が金津園にも吉原にもいたが、多くは引退してしまった。今でも現役で残っているのはこの2人くらいか。
■吉原プレジデントクラブ芹沢:吉原の“巨匠”と言われているらしい。古き良き時代の古典的ソープ嬢ということか。引退間近であることは間違いない。
■吉原シャトーペトリュス竹千代:上記芹沢と同様。アラン・ドロンが一時期通ったらしい。
最近のソープ嬢では以下。
■雄琴ゴールドクィーン片平:「屈指のマット女王!ソープを知るには【片平】さん」というコメントがある。入ったことはない。
■雄琴フォーナイン京 音羽ほか:フォーナインのナンバーワンクラス。入ったことはない。京音羽については田辺君のレポートがある。(レポート「雄琴 フォーナイン倶楽部(2日間)」の当該部分を参照。)
■熊本ブルー・シャトウ田島:筆者体験済。その献身性は特筆すべきものがある。ただし、マットは舐め洗い一本。
ランキング嬢について若干
キャスト選びをするときに、いわゆるNo.1クラスの女の子など本指名の多い子を選ぼうとする傾向があり、またわれわれもホームページにおいてランキングを発表して指名をあおっているが、私はこと「ソープ学習行脚」においては、必ずしも本指名数が多い=学びの多いソープ嬢とは限らないと考えている。というのは本指名の多さとサービス内容の高さとは往々にして一致しないことがあるからだ。
これは本指名がどのようにして作られるか? ということを考えてみればわかる。いろいろなパターンがあるにせよ、だいたいのところ以下の数点に集約される。
① サービスが非常によかった。(サービス指名)
② 「小柄で巨乳」「スレンダーで色白」など、女性として好きなタイプだった。(好み指名)
③ カラダの相性があった。Hがよかった。(エロス指名)
④ 単に楽しかった。話が合った。(コミュニケーション指名)
⑤ 好きになってしまった。(色恋指名)
さらに区分けすると、こうなる。
A.サービスを受けたいと望む指名(サービス指名)
B.カラダがもう一度会いたいと望む指名(好み指名・エロス指名)
C.心がもう一度会いたいと望む指名(コミュ指名・色恋指名)
リターンする理由には、このように大きく分けて3つしかない。本指名の多いキャストは、エロス的な部分で多くの男性を魅了しているか、好きにならせるのがうまいか、あるいはサービスが突出していいかのいずれか[もしくはそのすべて]である。サービスは普通、エロスも普通、しかし好きにならせるのがうまくて指名上位にいるキャストも現に存在している。色ボケして月に3回通う顧客を10人つくれば指名30本になるわけで、今のR-GROUPだと「No.1」である。
あるいは生まれ持って備えているカラダの良さや容姿の良さ、デフォルトで備わっているエロスなど、本人の努力とは別世界で評価されることも多い。私がビジネス的な観点から必ずしも本指名をさほど重視しないのは、こうした理由もあってのことだ。もちろん「重視しない」といっても手取りの見直し・ランクアップなど、キャスト評価の指標はやはり第一義的には本指名数にならざるを得ない。正確にいうならば、「本指名を重視しない」のではなく、本指名のなかの「好み指名」「色恋指名」などは重視しない、「サービス指名」だけを本来のソープ嬢に対する指名として重視するということだ。
もちろん「好み指名」「色恋指名」も指名であり集客の契機であり大切なことではあるのだが、店舗をつくっていくうえで大切なことは、そうした個別バラバラなデフォルトの個性を店舗の基準にすることはできないということである。店舗建設においてはあくまでも店が定式化し顧客に約束しているサービス内容の質と高さを基準とし、キャストの個性はそれを補完するものとして位置づけるという考え方が重要[※注]である。個性という不確定要素を提供するのではなく、サービスを本気で提供しようとするならば、そうする以外にない。ソープめぐりにおいてランキングにかかわらず定評あるソープ嬢を求めるべきだというのは、そうした行為がソープの基準を自分のなかにつくるための唯一の作業になるからである。
[※注] R-GROUP男子WEBミーティングより
ホステスのサービスは、マティーニと同じ。大衆店以下であった。キャラクターが良かったので、満足はしたが、ただ、それだけである。ホステスのキャラクターに頼る営業方針ほど危険なものはない。
「高級店建設は、ホステス個人の個性に頼るべきではなく、店が定めホステスに方針化しているサービスの水準によって成立するものである」(早坂)。
早坂の「遺言」は、けだし、正しいと言わねばならない。
(「吉原高級店研究① 姿麗人(シャレード)」)
店長の準備、もしくは「ソープ人になりきる」ということに関して若干
「ソープで働く以上、フロントに立ちたい、いつかは店長になりたい・・・」と多くの人は思う。あるいはまた、いつの日か自分も社長になりたいと思う人もいる。
店長になってより大きな仕事をしたいと思うことも、自ら経営者になりたいと望むことも、それ自身はきわめてまっとうな、そして仕事に生きる人間にとってきわめて健全な欲求ではある。
上昇志向と言われようがなんと言われようが、何も考えないで無為無策のうちに日常を過ごすよりは、よほど健全であり健康的だ。
しかし、ここで道は2つに分かれる。
同じ上昇志向をもつにしても、店長や社長という立場・肩書き・・・総じて形式的上下関係において上位に立ちたいと望む人間。一方、経験を積み、学習を深め、誰よりも働き、仕事の中身・内実においてトップでありたいと望む人間。あるいは仕事の課題をとことん追求したいと考える人間。
いわば前者は形式重視で、後者は本質重視である。あるいは、前者は形式を整えることが大切だと考える人間で、後者は中身を整えることが大切だと考える人間といってもよい。
しかし、形式や現象とは、常に中身・本質が外的に発現したものである。店長の例でいうならば、店長としての中身を持ち店長としての仕事をやりきっているからこそ人は「店長」と呼ぶのであって、肩書きを持っているから「店長」と認められるわけではない。
なにが言いたいかというと、形式的なものは本質的なものの事実追認に過ぎないのであって、何事もまずは本質を追求すべきだということである。
当たり前のことではあるが、この当たり前のことがあまり理解されにくい。
形式が本質を保証すると誤解する向きが非常に多い。真理はその真逆で、本質が形式を担保し保証するのである。そのことを忘れてはならない。
少し昔話をすると、筆者が金津園に来た(というか流れ着いた)のは1996年ごろのことである。
当時、店長という肩書きが欲しかったわけではないが、自分自身がソープを知悉し、その仕事内容に熟達し、自分自身の意思において価値あるサービスを提供できる人格となること、没主体的に言われたことだけをやるのではなくクリエイティブな仕事をすることは、仕事を始めた当初から強烈に希求していた。
そのために、私がやったのは、誰よりも下仕事をきっちりやることと、その一方でいつ店長を拝命してもすぐにその職責を果たせるよう、自分自身でソープの仕事内容をマスターすることだった。そして、ほとんどすぐに、そのための準備を開始した。そのひとつの取り組みが上記ソープめぐりだったわけである。
自ら身銭を切ってソープ店に行くだけではなく、たとえば知り合いのソープ嬢に頭を下げ、カネを払い、教えを乞う。夜中、店の個室を借りてマットの練習をする。ソープランド関連のビデオ(VHS)を見る、性に関する著作を読む。総じて、性に関する認識を深めること、それをサービス業として考えること、ソープランド独自のサービスについて見聞と見識を広げ深めること。ソープめぐりも含め、そうした行為のひとつひとつが、店長としての内実をつくっていくうえで不可欠であり、何一つとして不要なものはなかったと今は感じている。
そうした行為をなぞれというわけではないが、ロートルの軌跡として参考にしてもらえればと思います。(以上)
- 写楽(1984年初めてのソープ)
- 恵里亜(96年・振り替えで暴力的監禁)
- 石亭本店(2003年)
- 粋蓮(2001年・東北出身)
- ライオンズクラブ(2001年・№1青木)
- 姿麗人(2007年・レポートあり)
- マティーニ(2007年・レポートあり)
- ピカソ(2008年2回)
- オペラ(2008年5月淳・・・完全お仕事系)
- ドンファン
- バルボラ
- 深海魚
- 琥珀
- ニューシルク(1997年-2005年2回)
- ボンジュール(2004年)
- 銀馬車(2006年)・・麗子店外
- ゴールデンパルコ
- アロー・2015年
- 愛の園
- ホワイトハウス
- フレンド
- ラヴェール
- いろは
- ヴィーナス
- AAライン
- バースディ
- NEW REIJYO
- インペリアル福岡
- ハーベストムーン
- アラビアンナイト
- フォーナイン
- ダイヤモンドクラブ
- マキシム
- JOY
- ラターシュ
- F1クラブPIAA
- 蔵屋
- ビーラリック
- BIGバン(美鈴在籍店)
- FANNY CAFE
- ほか
- ブルーシャトゥ
- エアポート本館
- 麗嬢
- ピカソ
- ファーストリップス
- ドレスデン
- さっぽろ倶楽部
- エルカル
- 湯島御殿
- 英国屋
- バカラ(ベイビービー)
- ほか