キャストさんをタレントのようにして売り出すお店が多いなかで、R-GROUPでは「キャストはタレントではない」と言い切る。それは具体的にはどういうことなのか?
前回・前々回に引き続き、丹羽統括に質問をしてみた。
(聞き手:事務局)

今日でインタビューも3回めですね。
丹羽:ええ、もうそろそろご勘弁願いたいと思っています(笑)。
このかんも面接は続いているのですか?
丹羽:続いています。最近は神戸・大阪・京都など、関西からの応募が続いていますね。理由はよくわかりませんが、コンスタントな応募はここ数年変わりません。
最近、20代後半の未経験者からの応募が多いですね。
20代後半ですか。20代前半の若いところを募集しているのではないのですか?
丹羽:そんなことはありません。もちろん20代前半の若いキャストさんというニーズもあります。しかし、高級店という性格を考えるとある程度大人の男の気持ちがわかる年齢になっているというのも、一方では非常に強みなんです。
私どもとしては、そうした年齢層の強みも非常に重視していますし、実際にも指名上位は20代後半から30代のキャストさんが多いですね。
タレントさんの世界でも堂々と32歳で売り出し中の「壇蜜」さんがセクシーで人気じゃないですか。
壇蜜さん、人気ですね。
ところで今日のテーマ「キャストはタレントではない」というのは、具体的にはどういうことなのですか? キャストさんをタレントさんのようにして上手に売り出しているお店さんも多いと思いますし、そういうやり方が風俗の世界では定着しているようにも思うのですが。
丹羽:そういうお店様も多いと思います。しかし、キャストはタレントではなく接客人です。ここを履き違えてはいけないと思っています。
「タレントではなく接客人」、それは具体的にはどういうことでしょうか?
丹羽:キャストをタレントのような存在であるかのように位置づけようとする思考の根本には、こういう考え方があります。
ひとつは「キャストはタレントであって、非常に価値があり、それ自体至高の存在である」という考え方ですね。
たとえばお客さんとしてお店に行ったとき、女の子のサービスがよくなかったとしましょう。上がり部屋でクレームをつけたりすると、お店様のなかにはあからさまに「うちは女の子中心主義ですから」と受け付けないような店があります。あまり言うと怒り出す。挙句の果てには「遊びを知らない」とか言い出す。顧客の声をすくい上げてキャストのサービスに磨きをかけるとか、キャストを教育するという考え方がないのですね。つまりは「ありのままのキャストを使う」「教育しない」。
要するにキャストに対して「容姿がよくて可愛いタレントがサービスをする、それだけで(サービスの良し悪しはともかく)それ自体価値のあることだ」という考え方です。
わかります、よくありますね、そういう考え方。
丹羽:意識的主体的に考えているかどうかに関わらず、そういう考え方に立つとどうなるかというと、キャストがお客様寄りになることを求めるのではなく、お客様がキャスト寄りになることを求めるようになるのです。
もともとソープランドにかぎらず接客業一般は、キャスト(接客側)がお客様に寄っていくのが当たり前の商売ですが、そうではなくお客様がキャスト(接客側)に寄っていくことを求めてしまうのですね。「キャストがお客様に合わせるのでなく、お客様がキャストに合わせていくことを求める」と言ってもいい。
本末転倒ですね。
丹羽:まことに本末転倒です。
しかし、そういう考え方を突き詰めていくと、どうなるか。
結局は、そういうタレントであるキャストに対してお客様のほうが憧れるべきだという意識が働くんですね。そして芸能人に憧れるようにそのタレントに会いたいという気持ち・感情が来店を促すんだ・・という考え方になっていきます。
だから本来接客人であるはずのキャストを、お客様が憧れるアイドルスターのような存在として売り出すんですね。
なるほど、おかしな話ですね。
丹羽:いや、おかしくはないんですけどね。プロデュースのやり方や商売のやり方は、それぞれですから。
ただ私どもとしては、徹頭徹尾、キャストは接客人であると位置づけています。当たり前のことなのですが「キャストはタレントではない」というのはそういうことですね。
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