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「8月天王山」の意味と若干の補足
【R-GROUP事務局メモ2012.9.5】

従来、風俗業界においてもっとも客数の出足が伸びるとされているのが、1月・7-8月・12月である。
1:正月休み。
8:盆休み。あるいは夏のボーナス時期。
12:年末のボーナス時期。
後付けかも知れないが、これは要するに

1.カネがある
2.ヒマがある
3.夏場に開放的な気分になる
4.あるいは年の瀬に人恋しくなる

といった理由によるものだとして分析されてきた。消防団が機能していた時代には「姫始め」などのムラ行事が影響していたこともあった。

夏場は比較的忙しく冬場は出足が鈍るとか、晴れていれば忙しく雨が降ればヒマになるという見方もある。
季節によって、あるいは天気によって、顧客の動向がかわるということである。
しかし、それは風俗に限ったことではない。一見の観光客を相手に商売をしている場合などにおいては、とりわけこうした「季節要因」「天気要因」に非常に大きな影響を受けているというのが一般的な見方であろう。
たとえば、軽井沢などの避暑地では、夏場は道路が大渋滞するほど人が押し寄せるが、9月に入るとゴーストタウンになる。夏場勝負の海水浴場、冬限定のスキー場も、季節要因から逃れようのないビジネスである。
また、スーパーの食料品売場において冬場気温が下がると鍋セットが売れるなども、同様の天気要因による顧客動向の変化だといえる。エステ業界では、露出が多くなる夏前や、正月太りの1月に顧客が増える傾向があるそうだ。


経験的にいって風俗の世界においても、夏場忙しく冬場にヒマになるという傾向は否定できない。とくに9月から11月、1月から3月はとりわけても「ヒマ」とされてきた。
「2月は底だね。」
「8月はよかったが、9月に入ってパッタリ。」
こういう会話が、色街のあちこちで毎年繰り返されている。色街だけではない。日本中の観光地・温泉町で季節要因による客数減退を恨む会話が、まるで時候の挨拶のように交わされている。

しかし一方で、そうした季節要因・天気要因とは無関係に1年中行列のできる店があるというのも事実だ。
箱根旅館「箱根吟遊」や伊豆温泉「あせび野」のように、半年先まで予約の埋まっている温泉旅館もある。リッツカールトンのように、季節や曜日にかぎらず、常に稼働率が80パーセントを超えるホテルがある。
これをどう考えるか? ということなのである。

一般的な季節要因から「8月はソープ営業の天王山」と言い、事実そのとおりの営業結果にはなっているものの、しかし、より本来的=本質的に言うならば、この季節要因に影響されない、季節要因から解放されたビジネスのあり方を追求するなかにこそ、われわれが同業他店の一歩先を行く勝利の要諦があるのではないか? ということなのだ。

「世の中の動き=顧客動向は、季節によって規定される部分があり、事実そうなっている。だから、その季節要因によって規定されるビジネスチャンスを逸することなく我がものとせよ。」
これが「8月=ソープ営業の天王山」論の本質であり、出勤数を確保し波のように押し寄せる顧客をしっかりと受け止めて売上につなげていこう!という呼びかけであった。年に数回回遊してくる巨大な魚の群れに対し、後手に回ることなくしっかりと網を張れ! 大漁を求めよ! ということだった。

しかし、言うまでもないことだが、「8月=ソープ営業の天王山」論はそうした夏場だけが重要なビジネスチャンスだといっているのではない。新規顧客が夏場に動くことは事実であるが、囲い込んだ会員顧客層は、季節にかかわらず来店動機をつねに保持しているのであって、夏場に獲得した新規会員と囲い込んだ会員顧客層が年間をとおして定期的に来店するような仕組みづくりと呼びかけこそがもっとも重要になってくるのだと理解すべきだし、そのように理解してほしいのである。

実際われわれにとって、季節や天気にかかわらず、顧客が毎日出勤キャスト数と稼働数分きっちり来店してくれることが、いちばんありがたいのである。それがいちばんロスのない営業形態であり、安定した商売のあり方であろう。
もともとR-GROUPは、こうしたロスのない安定したビジネスのあり方を一貫して追求してきた。
ロスのない安定したビジネスは、100パーセントの稼働率と適正な粗利によってもたらされるが、われわれのビジネスに則して言えば、それは
■部屋の数だけキャストが出勤する、ということであり、
■そのキャストがオープンラストで勤務する、ということであり、
■またそのキャストが100パーセント稼働する、ということである。
営業路線的に言うと、
■キャストを全力出勤させるための日々の努力、であり、
■例外のないオープンラスト勤務の強制、であり、
■リアルタイム情報の提供による稼働率100パーセントの追求、である。

こうしたビジネスのかたちを作り上げていくことをこれまでも粘り強く追求してきたし、今後もそうした姿勢が決定的に求められている。
その意味で、「8月=ソープ営業の天王山」論は、現実的な顧客動向に則した方針ではあるが、同時に季節要因を乗り越えた「年間稼働率100パーセント」論(と、その特殊8月適用論)へ昇華されるべき課題として受け止め実践していくことが必要だということである。

「社会的総労働の比例的配分」という考え方に倣えば、われわれが拠って立つべきは、年間総来店顧客数の各月への比例的配分であり、同様に各曜日・各キャストへの比例的配分である。さらに言えば、
4店舗36部屋×5×30日×12ヶ月=64800本(※貴公子の稼働数も便宜上5として計算した場合)
の稼働率100パーセント達成に必要なだけのキャスト数の準備であり、その比例配分的な出勤であり、同様に比例配分的な集客(そのための創意工夫をこらした取り組み)ということである。

季節要因・曜日要因・天気要因など客観的に強制される客数増減という現実に対して、それを乗り越える「年間を通した顧客の比例的獲得」こそ、われわれが智慧を絞るべき課題であるということだ。

「8月=ソープ営業の天王山」論は、たとえば「2月底上げ」論とか、「1月正月決戦」論、「クリスマスイベント」論などと、本質的には同様であり、それらはすべて「年間稼働率100パーセント」論、「年間総来店顧客数の各月比例的配分」論、「各曜日各キャストへの比例的配分」論へと昇華されるべきものだということである。
当面、そのようなものとして理解してもらいたい。

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