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「地べたなこと」をやる。あるいはソープランドサービスそのものに肉薄する。
【R-GROUP事務局メモ2012.9.5】

■ソープランドスタッフの一般的な課題
■現状、おこなっていること。
■地べたなことをやる。
■人・モノ、あるいはハードとソフト

ソープランドのスタッフとして働いていくうえで、課題となることはそれこそ山ほどあるが、今日は「地べたなことをやる」という話をしたいと思う。
「地べたなこと」というのは、たとえばこういうことである。

キャストが接客している部屋を眺め渡す。
そうすると、電球が汚れていたり、ホコリをかぶっていたりすることがわかる。壁紙が汚れたり、剥がれたりしていることがわかる。
個室の風呂に入ってみる。
浴槽の脇から水漏れしていることがわかる。お湯=水がサビ臭いことがわかる。エアコンの具体的な調子がわかる。きちんと冷えるかどうかがわかる。
蛇口をひねってみる。
不純物が詰まり、水流が乱れていることがわかる。
風呂の蛇口から湯を出してみる。
何分で風呂がたまるかがわかる。この部屋は4分でたまるが、この部屋は10分かかるという現実があったとしたら、部屋によってキャストの仕事の組立てがかわることがわかる。
タオルでカラダを拭いてみる。
パイル地の固さが心地良いものか、不快なものかがわかる。タオルをにおってみる。家で洗濯したのとは違う臭いがすることがわかる。タオル屋の仕事の甘さか、それともタオル地の耐久の限界なのかがわかる。

こんなことをいろいろやってみる。キャストの仕事を追体験してみる。そこから、朝の準備や個室の管理といった仕事が、自分の肉体に染み込んでくる。
ソープランドというものが、頭でではなく、カラダでわかってくる。

「地べたなこと」は、ほかにもたくさんある。

ベッドに寝てみる。
マットの汚れは気にならないか? タオルケットは破れていないか? みっともない痛み方をしていないか?
個室の床に座ってみる。
ラグはいたんでいないか? 正座してみる。そのラグの硬さでキャストは正座しつづけられるか?
浴室で膝移動してみる
キャストが実践している古式豊かな作法がどれだけ大変かがわかる。経験をつんだソープ嬢の膝が黒い理由がわかる。
マットで滑ってみる。
自分のカラダにローションを塗ってみる。それをお湯で落としてみる。マットを掃除して拭きあげてみる。(考えてみよ。マットを拭きあげたことのない人間が、マット拭きあげの点検をしていたらおかしいだろう。)
実際にマットの掃除と拭きあげをやってみると、蛇口から熱湯に近いお湯がでないと仕事がやりにくいことがわかる。ボイラーの設定と調子の管理という男子の仕事と、マットというキャストの仕事がダイレクトに直結することがわかる。

真夏にマットをやってみる。真冬にマットをやってみる。
とくに、真冬のマットでお客様に寒い思いをさせないために、どんな工夫が必要かがわかる。また、50度程度のお湯ではなく、熱湯に近いお湯が出ないとまったく仕事にならないことがわかる。
駅のバスのりばで10分立ってみる
迎えがなかなか来なくて待った、という声を聞く。真夏のバスのりばでの10分が、どれくらいの時間なのかがわかる。10分立ち続けることが、どんなに苛立つことかがわかる。

キャストの仕事を追体験し、お客様のお遊びを追体験してみる。
そうすることによって、自分自身の提供しているサービスの内容をカラダで感じる。
誰よりもソープランドのサービス・設備に詳しくなる。総じて、ソープ人になりきる、ということである。

入船のおばさんとしゃべってみる。むらやまのママと世間話をしてみる。
入船のママも、あやちゃんも、30年選手である。金津の歴史がわかる。むらやまのママとは珈琲を飲みながら話してみると、いろいろ昔の話がきける。むらやまそのものが、昔は遊郭だった。外壁のタイル模様にその面影が残っていることがわかる。
※他店のスタッフと付き合うことは認めないが、入船のママやあやちゃんと仲良くすることは大いに推奨する。他店の男子スタッフと付き合っても得るものはなにもないが、金津の生き字引と付き合うことは自らを高めることにつながる。歴史的存在としての金津が体感できる。

くりかえすが、ソープ人になりきるということ。普通の会社員でも、ホテルマンでも、夜のホステスの仕事でも、なんでもそうであるが、業界なれすることとプロとして成長することを混同する向きが非常に多い。
変に業界なれするのではない。業界人としての心棒をつくることが大切なのだということ。

知識・現象の分類整理が勉強なのではない。本質に触れること、本質を追求すること、・・・少なくとも本質を追求しようとし続けることが勉強であるし、地面にしっかりと足をつけて立つ基礎をつくるものである。



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